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アドビ、電子署名サービス刷新--データセンターを2016年末に

鈴木恭子

2016-04-27 14:38

 アドビシステムズは4月26日、同社の電子署名サービスである「Adobe Document Cloud eSignサービス」を「Adobe Sign」と改名し、マーケティング向けクラウドサービス「Adobe Marketing Cloud」と連携させたと発表した。改名の理由について米本社Document Cloudプロダクトマーケティング担当バイスプレジデントを務めるMark Grilli氏は、「電子署名に特化したソリューションであることを訴求するため」と説明。新機能の拡充とともに、ビジネス市場での電子署名の普及を目指す。

 Adobe Signは、クレジットカードの申し込みや行政機関の書類申請、企業で利用する記名フォーム類を電子化した署名プラットフォーム。これまでクラウドベースのドキュメント管理サービス「Adobe Document Cloud」に包含される電子署名サービス機能として提供されていた。

Adobe Systems Document Cloudプロダクトマーケティング担当バイスプレジデント Mark Grilli氏
Adobe Systems Document Cloudプロダクトマーケティング担当バイスプレジデント Mark Grilli氏

 アドビはその役割について、「素早く簡単かつ安全な方法で信頼できる電子署名を企業や政府機関に提供する」と説明する。提供開始から約1年間で60億件以上のデジタルおよび電子署名取引が処理さているという。

 新機能として発表されたのは、Marketing Cloudに含まれるエンタープライズコンテンツ管理サービスの「Adobe Experience Manager(AEM) Forms」との連携と新モバイルアプリによる操作性の向上だ。具体的には、複雑なフォームベースの処理をシンプル化し、どのデバイスからでも簡単に入力できる環境を整えた。また、iOS版とAndroid版が提供される「Adobe Signアプリ」では、ダッシュボードを刷新し、署名送信ワークフローを改善した。

 もう1つは、日本とアジア太平洋地域でのデータセンターの設置計画だ。Grilli氏は「2016年末までに開設する予定」と説明。現時点ではDocument Cloudのデータセンターは米国にあり、ドキュメントや署名の管理もすべて米国で行われている。そのため、「機密情報や重要な契約書などのやり取りには不向き」との指摘も上がっていた。

電子署名の入力。タッチスクリーンに対応しないPCはマウスでサインできる
電子署名の入力。タッチスクリーンに対応しないPCはマウスでサインできる

 Document Cloudを核としたパートナーエコシステムの拡大も図った。具体的には、クラウドストレージの「Box」と「OneDrive」との連携だ。

 Boxとの連携では、Boxのサイトから直接Adobe Acrobat DCを開き、PDF上で作業できる。注釈や編集はリアルタイムでBoxに保存されるため、バージョン管理上の問題は解消される。

 Boxに保存された契約書や書類をAdobe Signで直接開き、電子署名することも可能になる。OneDriveとの連携では、Acrobat Readerのモバイルアプリ(iOS版限定)からOneDriveのPDFにアクセスし、直接作業できるようになるという。

デジタル化で印紙税の80%を削減

 アドビは「電子署名サービスは、顧客体験向上にとって不可欠」と訴求する。Grilli氏は「(ビジネスにおいて)既存の(紙ベースの)文書プロセスを改善すれば、顧客満足度は向上する。しかし、現状は80%が紙に依存するプロセスを続けている」と指摘する。

 同氏が「早急にデジタル化する必要がある」と訴えるのが大学だ。デジタルネイティブの学生に対応するためには、諸般の手続きをデジタル化する必要があると説く。「申請プロセスの途中で紙(郵送)やファクスが必要になった段階でそっぽを向かれる」(同氏)

アドビシステムズ 法務政府渉外本部長 浅井孝夫氏
アドビシステムズ 法務政府渉外本部長 浅井孝夫氏

 一方、「電子署名で文書プロセスのすべてをデジタル化すれば、企業は大幅なコストを削減できる」と説明するのは、日本法人の法務政府渉外本部 本部長で弁護士でもある浅井孝夫氏だ。

 浅井氏は「手書き書類のやり取りなど非定型業務をデジタル化で効率化すれば、企業の競争力向上につながる。さらに、e-文書法によって電子化が可能となった文書は、デジタル化することで印紙税を納める必要がなくなる」と説明する。

 e-文書法は、法令で課せられている紙での保存に代わり、電磁的記録(デジタルデータ)で保存することを容認する法律だ。2005年4月から施行されている。同法により、デジタル文書では、書面で必要だった印紙を貼る(印紙税を納める)が必要なくなる。浅井によると、書面契約が義務付けられている場合を除いて書類をデジタル化すれば、企業は現在支払っている印紙税の80%を削減できるとしているという。

 アドビは現在、自社でDocument Cloudを導入している。その結果、人事部は、書類作成時間が10分の1に短縮、法務部門では締結までにかかる時間を従来の1~2週間から1日に短縮できたとしている。

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