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2016年の「IT人材」と採用

ITの内製化に成功した理由--食いっぱぐれないエンジニアを育てる仕組み - (page 3)

竹内真(ビズリーチ)

2016-05-16 07:00

 日系の航空会社に勤める私の友人の言葉で忘れられない言葉があります。

 「新しい飛行機が納入された時に胸がたかぶった。僕はこのために仕事しているんだと感じた」と。

 自分の関わる製品やサービスに対して愛着や執着心、情を持つことが、仕事の感覚をつくっているのだと思います。飛行機に胸を打たれた友人の姿をみて、目に見えたり触れたりできるものには愛着を感じてもらいやすいと感じました。しかし、ネットサービスには、この部分が決定的に欠けています。

 一般的にIT業界は離職率が高いと言われていますが、サービスが五感で感じられず愛着心が生まれ難いことも一因ではないでしょうか。実際に手で触って形をたしかめることができないインターネットサービスを生業としながら、いかに会社や事業に愛着を持ってもらうか。

 その答えの一つに、オフィスづくりもあるのではないかと考えました。実際のところ、ビズリーチの離職率はIT業界の中では低いほうだと自負していますが、このオフィスの存在が多少なりとも貢献しているといいなと思います。

最大4時間まで作業時間を確保できるクリエイターズタイム

 他にも、エンジニアが心地よく作業ができ、安心して学べる環境をつくることも心がけました。エンジニアはビジネスにインパクトを与えるアウトプットを求められる一方で、日々進化していくテクノロジをインプットし、自身のスキルを更新していかなければなりません。

 まるで侍が常に刀を振り続けながら鍛錬するように、技術者としての個人の力を伸ばしていく必要があるのです。そのためエンジニアは、会社の中に安心して学べる、成長できる環境があるかを常に見極めています。

 腰に負担をかけない良質な椅子や、振り返ればすぐにチームでコミュニケーションをとれるハニカム構造のオフィス、階段状になったプレゼンテーションスペース、常に最新の技術書に入れ替わる流動的な本棚、より業務に集中してパフォーマンスを発揮できるよう、会議などをいれずに連続して最大4時間まで作業時間を確保することができる「クリエイターズタイム」などです。

 このように環境を整えたことで、エンジニアやデザイナーたちは安心して自由に活動できると感じてくれたのか、社内外に向けた勉強会やイベントを積極的に行うようになりました。その結果、転職潜在層にもアプローチすることができ、ビズリーチのオフィスやエンジニアの環境を知る人を徐々に増やしていくことができたのだと思います。


集中できる椅子と机。エンジニアなどプロダクトチームの椅子や集中ルームは腰への負担が軽いビジネスチェア「エルゴヒューマン」で統一

そしてこれから

 事業が成長すると「攻め」の人材だけでなく「守り」の人材も必要です。これもサッカーのようなもので、フォワードがどんなに点を取ったとしても、事業の守りを固めるディフェンダーやゴールキーパーがいなければ試合に負けてしまうかもしれない。既存サービスが成長を遂げるなかで、安定的に稼働させるための人材が必要なのは明白です。

 われわれのようなベンチャー企業は、新しいビジネスを立ち上げて、スケールさせることを考えなければいけません。「ここまで採用ができれば十分」ではなく、優秀な人材を採用することで新しいビジネスを生み出すことができる。会社のフェーズに応じて仲間探しの旅は続いていくのだと思います。

 

竹内 真 / 株式会社ビズリーチ 取締役
2001年、電気通信大学情報工学科を卒業後、富士ソフトABC株式会社(現・富士ソフト株式会社)に入社し、エンタープライズサービスを中心にさまざまなソフトウェアを開発。2007年に富士ソフトを退職後は、フリーエンジニアとして株式会社リクルートの基盤フレームワーク開発などに従事。2008年には株式会社ビズリーチの創業に参画し、CTOとしてサービス開発を手掛ける他、自社のエンジニア採用や人事制度構築を行う。現在は株式会社レイハウオリ代表取締役と株式会社ビズリーチの取締役を兼任する。社外では、mobyletメインコミッターなどのOSS活動や、各種講演会やセミナー講師としても活躍。
運営サービスは、日本最大級の求人検索エンジン「スタンバイ」、管理職・グローバル人材の転職サイト「ビズリーチ」、20代のためのレコメンド型転職サイト「careertrek」 など

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