2016年の「IT人材」と採用

“いい内製化”のためのチーム作り--ビジネス強者のエンジニアが育つわけ

竹内真

2016-07-12 07:00

 ビズリーチで取締役を務める竹内真です。現在、200人近いエンジニアやデザイナーを抱えるビズリーチでは、数々の事業をゼロベースから内製で作り、スケールさせてきました。2009年に即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」をはじめてから、「キャリアトレック」、地図で仕事が探せるアプリ「スタンバイ」、先日は戦略人事クラウド「HRMOS(ハーモス)」をリリースし、約7年でHR×テクノロジ領域を中心に7つ以上のインターネットサービスを立ち上げてきました。

 これら全て、自社のエンジニアやデザイナーらの力を結集して作り上げたものです。

 前回で、内製化を進めるにあたって、私たちが取り組んできた人事評価制度やオフィス環境についてお話しましたが、今回は、内製化で組織をつくるにあたって、私が意識して取り組んできたことをお話したいと思います。

内製化はビジネスサイクルを早め、外注は安定稼働を実現する

 まず、プロダクトをつくるにあたって内製化で組織をつくることが全て正しいとは言えません。内製するか、外注するか。その基準の1つは、サービスの規模感にあると思います。「小さく作り、大きくしていく」という開発サイクルであれば内製に、「大規模なものを確実に動かす」ということであれば外注に依頼したほうが良い、というのが私の考え方です。社会のインフラと化した規模のサービスであれば、外注のほうが品質を担保しやすいと言えるでしょう。

 内製化のメリットとして特に大きい物は「スピード感」です。内製化であればテストをある程度簡素化し、品質よりリリースを優先するといった融通をきかせやすくなります。

 リーンスタートアップのように、サービスをまず公開し、得られたフィードバックをもとにどんどん改善を加えて完成度を高めていくというやり方はマッチしやすいでしょう。

 ビズリーチも立ち上げの頃は毎日何度もリリースをし、現在でも2週間に1回のペースでリリースしています。サービスの規模感に応じて、どのような組織でプロダクトをつくるべきかは見極めが必要です。

 一方で、サービス規模が大きくなればなるほど、外注のメリットも生まれます。例えば、あるECサービスを立ち上げ、それがある程度カタチになったとして、その後どれだけスケールするかは商品の価格や品ぞろえ次第になります。

 つまり、プログラミングではなくマーケティングの勝負になるわけです。ここでどんなに素晴らしいプログラミングスキルを持ったエンジニアがサービスを構築し続けたとしても、売り上げを2倍、3倍にすることは困難になってきます。

 継続的につくり続けるものがなければ、優秀なエンジニアを囲い続けることで、大きなコストになる可能性もあるわけです。きちんとアウトプットの品質を担保できるパートナーが見つかっているのであれば、外注したほうがセキュリティ面などで安全性を担保できることもあります。

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