Windows OSの移行はIT部門やIT管理者の悩みの種の一つです。アプリケーションや従来型ソフトウェアとの互換性の問題に始まり、大量のデータ移行によるネットワーク負荷の問題、エンドユーザーへのトレーニングや受け入れ手順の確立、さらに必要となるアップデートを適用しながら生産性を維持するという課題もあります。
Windows 10は、史上最も速く採用が進んだOSとなりそうですが、それでも73%以上のIT管理者がOSの発売後12~24カ月経過してから採用すると言っています。大部分のIT管理者やエンドユーザーはOSの移行には時間がかかり面倒と考えているのではないでしょうか。平均的な企業の移行プロジェクトでは 構想から完了まで18~32カ月を要し、多大なITリソースが必要となるとともにエンドユーザーが作業できない時間が生じるといいます。
多くの企業はセキュリティ、OSの安定性、ネットワーク帯域の懸念、ソフトウェア互換性の問題、さらにハードウェアの更新間隔と合わせることから移行を遅らせていますが、一方で(包括ライセンス契約などしていない中堅中小企業にとっては)Windows 10の無償アップグレードまで3か月を切っています。
統合型エンドポイントバックアップの活用による簡素化
OS移行プロセスではエンドユーザー設定やデータ損失が起きえる手動による手順が必要です。これに加えて、ほとんどのIT管理者は移行実施前にデータ移行計画を立てていません。
既存デバイスをWindows 10にアップグレードするにせよ、新しいPCの導入を待つにせよ、どのように進めるか事前に計画を立てることでプロセスを簡素化することができます。PCのバックアップと復元だけでなく、モバイルデバイスとクラウドアプリの保護、PCの更改、コンプライアンスと電子情報開示(eDiscovery)の機能などを持つ「統合型エンドポイントバックアップ」関連ソフトは見落とされがちですが、データや個人設定を自動的かつ効率的に移行することで、ストレスやリスクを大幅に削減できると考えます。
大規模なデータ移行前にデータを保護することでデータ損失や災害復旧に要する費用をゼロにしつつ、エンドユーザーがOSやデバイスを移行する間も途切れることなくデータを利用し続けられるようになります。将来に向けてこれまで以上にスムーズなデータ移行が行える基盤と合理化されたプロセスが確立できるという点が重要ではないでしょうか。
本稿では、OS移行を容易にする統合型エンドポイントバックアップでOS移行する際の手順について解説します。