なお、このスタッフによると、医師はほぼ全てAppleデバイスを利用しており、Appleの操作やナビゲーションに慣れているとのこと。「Fiori for iOSはこのような素地を活用できるので、すぐに使ってもらうことができる」という。アプリは2016年末~2017年にローンチの予定。逆に、Androidについては未定とのことだった。
また、3月に発表済みの「SAP Health Engagement」も見せていた。患者向けのiOSアプリとなり、iPhoneからアクセスして患者が在宅でのケアの経過を報告したり、エクササイズの指示を確認したり、次の予約を確認したり、痛みを報告することもできる。さらには、患部の写真を撮って送ることもできるという。
患者向けのアプリの例
これらのソリューションは、すでにベルリンにある大手医療機関Charite Berlinで実験的に利用しているとのこと。SAPにとってヘルスケアは新しい分野ではなく、1990年代からヘルスケアサービスを提供するプロバイダー向けにフォーカスしてERP側の対応、Business Suiteベースのソリューションの提供などを行ってきた。
だが、ここ数年、医療分野ではゲノム解析などの技術革新が進んでおり、既存のプロバイダ向けを超えたソリューションを提供できるようになったと担当者は語る。
「ゲノムレベルでの分析ができるようになり、患者のケアを効果的にできるようになった。ここでHANAは重要な役割を果たすことができ、SAPはパーソナライズされた医療に大きな投資をしている」という。Connected Healthも、HANAを土台にヘルスケア固有の機能を加えたものとなり、医療データの追跡や視覚化が可能となるとのことだ。