常陽銀行など地銀7行は三菱東京UFJ銀行と日本IBMの「Chance地銀共同化システム」の契約を更改した。新たな契約は2017年1月1日~2024年12月31日の8年間。6月8日に発表された。
契約を更改した常陽銀行(茨城県)、百十四銀行(香川県)、十六銀行(岐阜県)、南都銀行(奈良県)、山口フィナンシャルグループ(山口銀行=山口県、もみじ銀行=広島県、北九州銀行=福岡県)の参加金融機関は、三菱東京UFJ銀行からChance地銀共同化システムのもととなる業務ソフトウェアの提供を継続的に受けるとともに、日本IBMからシステムの開発、運用、保守のアウトソーシングサービスの提供を受ける。
Chance地銀共同化システムは、三菱東京UFJ銀行の勘定系や情報系などのシステムをもとに参加金融機関の共通ニーズと個別ニーズを反映させて構築した。
参加金融機関は、三菱東京UFJ銀行がその業務ノウハウを蓄積して開発した業務ソフトウェアを日本IBMのテクノロジを活用した共同化システムとして利用できる。これまでにも、三菱東京UFJ銀行が開発した「統合顧客システム」「でんさいシステム」をコミュニティークラウド「Chanceクラウド」に構築するなど商品やサービスの拡充に向けて迅速に対応してきたという。
近年のITの急速な進化は、金融機関の顧客のライフスタイルやワークスタイルの幅広い場面で変化をもたらしており、金融取引での顧客のニーズもより高度化、複雑化している。
これらの変化に対応するため、銀行の基幹システムには、高品質かつ安定した稼働、経営戦略はもちろん、制度改正や顧客ニーズに即応できる柔軟性といったさまざまな要件が求められる。金融サービスを安心して利用できる前提となるセキュリティ強化に加え、震災や風水害といった災害時の事業継続性(BCP)への関心も高まっている。
こうした背景から今回の契約更改では、災害時の復旧対象業務の拡大や復旧時間の短縮など、災害対策機能の高度化によってサービスレベルを向上させるとともに、システム運用のさらなる効率化を目指すとしている。
システムの開発や運用以外でも、セキュリティ対策やFinTechについて共同で検討するほか、三菱東京UFJ銀行による参加金融機関のセキュリティ要員育成支援などシステム共同化の枠組みを超えた連携についても引き続き強化していく。