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マイクロソフトのLinkedIn巨額買収、その狙いは「データから広がる可能性」

Mary Jo Foley (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-06-16 06:00

 Microsoftは米国時間6月13日、ビジネス指向のソーシャルネットワーキングサイトLinkedInの買収を発表した。Microsoftが創業以来、最大規模となる今回の買収を決断した理由はどこにあるのだろうか?


提供:Microsoft

 端的に述べると、すべてはデータという答えになる。

 もう少し詳しく述べると、Microsoftの「Office 365」や「Microsoft Dynamics CRM」「Microsoft Dynamics ERP」、広告関連の製品やサービスにまつわる潜在的なシナジー効果ということになる。

 今後の両社における潜在的なシナリオを概説したMicrosoftの公開資料では、「世界をリードするプロフェッショナル向けのクラウド」と「プロフェッショナル向けのネットワーク」を結びつける買収だというマネジメントの見解が強調されている。

 MicrosoftとLinkedInの両社はそれぞれ、グラフ理論を自らの得意分野で活用してきている。Microsoftのグラフは連絡先やメッセージ、カレンダーの入力情報、文書といったエンティティをノードにした情報の集合だ。一方LinkedInのグラフは、仕事や同僚、学習、展望、求人/雇用に関するエンティティがノードになっている。

 これら2つのグラフ間には重複する部分があまりない。このため、能力やテクノロジがかなり重複しているSlackのような企業を買収する場合よりも理にかなっていると言えるはずだ。そしてMicrosoftは、同社のグラフとLinkedInのグラフをつなげることで、大きな価値を生み出そうとしている。

 MicrosoftにおいてLinkedIn部門は今後、「プロフェッショナルの生産性を向上させる」ための方法に注力していくことになるはずだ。

 Microsoftは、ビジネスユーザーのプロフィールデータをアプリやサービスを横断したかたちで統合するという作業において、LinkedInが力になると期待している。上述の公開資料では、ユーザーの連絡先ネットワークや、業界、職業に関する情報が統合されたプロフェッショナル向けニュースフィードの開発や、「Cortana」によって統合できる可能性のあるポイントが示されている。

 Microsoftが描いている潜在的なシナリオには、Dynamics CRM(そして他社製のCRMシステム)向けの潜在顧客や既存顧客に関する情報の充実、およびOffice 365やDynamics CRM、Dynamics ERP向けの知識管理機能の全体的な強化が含まれている。またLinkedIn(そして同社が買収したLynda.comの教育機能)はソーシャル学習といった観点から、Microsoftが自社の製品ラインを横断して実施している認定制度や教育制度に関連する事業を補完できる可能性がある。

 またMicrosoftは、LinkedInとの統合によって「Bing」も「最高のプロフェッショナル検索」を提供できるようになるはずだと確信している。さらに、米ZDNetのLarry Dignan編集長が解説しているように、人事関連の分野でも数々のメリットが期待できる。

 LinkedInのサービスは(まだ)「Microsoft Azure」クラウド上で稼働していない(もっとも、Office 365もまだ稼働していない)。しかし、Microsoftにとって最も優先度が高いのは間違いなく、LinkedInのサービスと、「Active Directory」やOffice 365のシングルサインオンを関連付けることだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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