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藤本恭史「もっと気楽にFinTech」

FinTechでサクッと顧客体験を向上しよう

藤本恭史

2016-06-20 07:00

 こんにちは。PayPalの藤本恭史です。今回は、サンフランシスコに向かう機中でこの原稿を書き始めました。皆さんは機内ではどう過ごしているでしょうか。私は圧倒的に映画を見ていることが多く、米国行きの飛行機では3本見ます。眠れないんです、機内でなかなか(笑)


 それはさておき、フライトでもう1つ楽しみにしていることがあります。それは免税品などの機内販売のカタログを読むことです。航空会社はそれぞれ特色があって、日系は時節ごとの企画物を楽しみにしていますし、米国系だと「誰が買うねん!」とツッコミを入れたくなるニッチな商品が堂々と紙面を飾っています。そしてそれにまんまと踊らされていろいろなものをつい買ってしまうのが私です。もしかしたらよく眠れるかと買ってしまった機内の疲れや体の痛みを和らげるブレスレット、もしかしたらホテルの部屋で音楽流したらちょっとオシャレじゃないかと思って買ってしまった旅行用Bluetoothスピーカー、などなど。今はどこへいったやら。

 今日も例にもれず機内販売品の誘惑は止まりません。ついつい新しい発見を求めてページをめくってしまいます。しかし、いつも思うのですが「機内販売品を購入する」という行為は結構大変です。ここで機内販売商品を購入するまでに至るカスタマージャーニーとユーザーエクスペリエンスについて少し考えてみたいと思います。機内販売の商品を選ぶのは一部スクリーンでもできますが、基本的にフロントポケットなどに入っている冊子からです。つまりオフラインメディアですね。そして気になる商品が見つかったら、注文するかどうかの検討に入るわけですが、その時にわれわれは2つのことが頭をよぎります。

 1つ目は、“これは本当に今この瞬間にわざわざ機内でキャビンアテンダントさんを呼んでまで購入したい商品なのだろうか?”という物欲との葛藤、2つ目は、物理的に購入のためには財布を取り出す必要があり、その財布は上の棚、つまりオーバーヘッドコンパートメントに収納されているバッグに入っていることが多いと思いますが、それを“わざわざ立ち上がり取り出す面倒をかけるべきなのだろうか?”という手間との葛藤です。


 1つ目は、その人の購買に対しての個人的な決断なので如何ともしがたいですが、しかし2つ目は機内という物理的制限がかなりある環境の中での葛藤であり、注文しやすい状況にあるかどうかが購入決定に大きな要因を占めているのではないかと思います。ここでのユーザーエクスペリエンスが実際に購入に至るまでのコンバージョン率にどのように影響を与えているか、ちょっと考えてみましょう。

 機内と言うのはとかく席から立ち上がるのが億劫なものです。ビジネスクラスや通路側に座っている場合でさえ億劫なものですが、例えば私がエコノミークラスの2人掛けの窓側の席に座っている場合、もしくは3人掛け席の真ん中に座っていた場合、買いたいと思った瞬間の思考として、わざわざ隣の人の前を通って財布を取り出し、注文する、という物理的にも心理的にも負担がかかる行為をしてまで購入したいという決断に至るでしょうか。機内販売品というのは自分が買いたかったものを見つけるプルデマンドではなく、たまたまメディアによって誘導されたプッシュデマンドです。もともと購入のためのモチベーションはそんなに高くないでしょう。そうすると、窓側や3人掛けに座っているというそれだけで個人的には30%以上の購入意向の低下が発生しているのではないかと思います。

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