Red Hatは米国時間6月27日、カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の「Red Hat Summit 2016」において「Red Hat Container Development Kit(RHCDK)2.1」の提供を開始したと発表した。
この新たな開発キットは、Red HatがLinux顧客に提供している数多くの無償プログラミングツールキットの1つであり、「OpenShift Enterprise 3」開発環境と「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)環境の双方を対象とする、エンタープライズに対応したコンテナアプリケーションの開発を支援するためのものだ。
RHCDK 2.1の主な特長は以下の通りだ。
- Red HatのPaaSであるOpenShiftが、OpenShift Enterprise 3.2にアップグレードされた。この最新バージョンは「Kubernetes 1.2.x」と「Docker 1.9.x」をベースに構築されている。
- 「Hyper-V」(「Windows」のネイティブなハイパーバイザ)をサポート(テクノロジプレビュー版)。
- CDK Vagrant boxのサイズを最大150Mバイト削減する。
- 仮想マシン(VM)内で永続ボリュームを確保することでデータを永続化する。RHCDK 2.1では、永続ボリュームの使用によって、ポッドやOpenShift、VM全体の再起動をまたがってデータを永続化できるようになっている。
- OpenShiftのレジストリをルーティングして、外部からアクセスできるようにする。
- バグ修正。
最も重要なのはおそらく、永続ボリュームだろう。RHCDK 2.1において、開発者は永続ボリュームを使用することで、ポッドやOpenShift、VM全体の再起動をまたがってデータを永続化できる。
例えば、Red HatのシニアソフトウェアアーキテクトであるLalatendu Mohanty氏は「MongoDBの配備コンフィグレーションに永続ボリュームをアタッチしておけば、ポッドの再起動をまたがってデータを永続化できるようになる」という点を指摘している。
これにより、永続コンテナが利用できるようになる。RHCDKはこの特長により、Red Hat開発者だけでなく、その他のコンテナプログラマーにも魅力的な存在になるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。