マネジメントvs開発はもう古い--今エンジニアに必要とされる「eリーダーシップ」 - (page 3)

黒瀬瑛之(BEC)

2016-07-23 07:00

ITスキル --新しい技術に柔軟に対応できる

 プロダクトを早くつくることにフォーカスするあまり、既存に扱っている技術で全てを解決しようとしてしまい、新しい技術に全く目を向けられなくなることがよくあります。

 新しい技術に取り組むことは、「スタートアップ期はまずプロダクトをリリースすることが大切」という上述の意見と相反するように感じるかもしれませんが、スピードを意識している企業でもプロダクトで実現したいことによっては新しい技術への取り組みが役に立つケースが増えています。

 最近はAmazon Web ServicesやGoogle Cloud Platformが新しいサービスを頻繁にリリースしていますし、バックエンドのGoやScala言語にとどまらず、フロントエンドではReactやAngularJSなどのフレームワーク、関連ツールに関してもどんどん新しいものが出てきています。

 これらは自社プロダクトしか見ていないと時間をとって勉強する気にはなれませんが、実際に時間をとって取り入れてみると、コード量が減って、バグの削減や開発スピードの向上につながったり、そもそもコードを書く必要がなくなったりとメリットが多分にあります。

 便利な道具を使うことで技術の根本理解がおろそかになることを危惧される方も多いと思います。もちろん技術の根本理解はとても大切で、基礎が分かっていると他の技術に取り組む際の理解のスピードが違ってきます。

 ただそれは、あくまで目的を達成するための手段と考えるべきで、スピード感を持って便利に使える道具があるのであればそれを使いこなせるようになる柔軟さがこれからのエンジニアには求められるのではないかと考えています。

 その上でエンジニアであれば、使っている技術の原理原則は気になるものだと思っています。好奇心をもってハードウェアレベルの知識まで身につけることで、それはそれで新しい技術を使いこなすための1つの強力な武器になるでしょう。

新しい技術に触れるための仕組み、マイクロサービスへ

 弊社では新しい技術に触れて実際にそれを試すための仕組みとして、管理ツールのマイクロサービス化を進めています。

 管理ツールの各機能を分割し、それぞれの機能を担当者が裁量をもって開発を進めています。担当のエンジニアは今後社内で使えそうな技術を選定し、その技術を使ってみた結果を社内に発信する仕組みになっています。

 そうすることで実際のプロダクトの改善に新しい技術が使えたり、新機能を作ろうとした際の選択肢の幅にもつながると考えています。

 またマイクロサービス化することで開発範囲が影響しあうことを最小限に抑え、開発スピードを向上することにもつながっています。

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