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スピード重視の開発からAWS導入支援に行き着くのは必然だった--アイレットCEO

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2016-08-11 07:00

 ウェブを中心としたシステム開発・保守をはじめ、iOSやAndroidなどのアプリケーション開発、クラウドを利用したホスティングを提供するアイレット。特にAmazon Web Service(AWS)の導入支援については国内でもいち早く事業を展開しており、「cloudpack」のブランド名が社名より知名度が高いかも知れない。虎ノ門ヒルズに本社を構え、ユニークな社風から著名なエンジニアの入社が増えているという。今回は、同社の代表取締役兼 最高経営責任者(CEO)である齋藤将平氏と執行役員兼エバンジェリストである後藤和貴氏に話を聞いた。

――アイレットの事業内容は。


アイレット 代表取締役兼 最高経営責任者(CEO)である齋藤将平氏

齋藤氏 アイレットは、2003年からウェブのシステム開発という形でサーバサイドの開発とインフラ、つまりオンプレミスのサーバのセッティングから保守までを事業として担い続けて来ました。2010年からcloudpackとしてAWSの導入支援や運用支援を始めています。

 AWSのマネージドホスティングという形で、サーバの保守をやっているのですが、現状はクラウド関連の開発にも力を入れていて、よりクラウドを利用したシステムを提供をしています。

 大きく分けると、AWS関連と開発ということになります。今はAWS関連の事業に注力してしています。現在、エンジニアを募っていますが7割がAWS関連です。


――事業が伸びている理由は。

齋藤氏 一つはスピード感だと考えています。創業した2003年当初から仕事のあらゆる面でスピードを意識しています。システム開発というと、当時ウォーターフォール型が多かったのですが、顧客が欲しいというものをすぐに開発することがニーズに応えることでした。そのため、当時からなるべくアジャイルで、よりスピードを優先するスタイルで開発をしていました。

 大手よりも速いスピードを目指してシステム開発を続けていたわれわれにとって、クラウドというすぐにシステムが準備できる手段をいち早く事業化したのは必然だったかもしれません。

 2010年からAWSの構築、運用サービスを始めているのですが、AWSを早めに利用し、どう活用すれば成果が出るかを考え、AWSが成長していく過程で日本人向けにあったほうがいいという部分を補うビジネスを開始しました。それがcloudpackです。

 当時はまだクラウドという言葉は出始めの時期です。AWSもマイナーで情報が少なかったのですが われわれ自身が海外のレンタルサーバを開発に利用したことがあり、そうしたサービスと比較するとAWSの使いやすさや便利さを痛感していました。

 そこで自社ビジネスが薄まるリスクを冒しても、AWSに賭けることにしました。片手間でなくリソースを割きAWS専任スタッフを配置することにしたのが現在伸びている理由のひとつかもしれません。

――AWSのビジネスに関して現在注力していることは。

齋藤氏 「エンタープライズ」「ソーシャルゲーム」、そして「西日本」です。1つめの「エンタープライズ」ですが、クラウドの利用検討の段階でセキュリティやクラウド事業者がなくなるようなリスクを不安視するエンタープライズ企業が多かったように感じます。

 それが、やっとこの2~3年でエンタープライズ企業がクラウドを認め、導入する企業がどんどん増えています。クラウド特有の〝従量課金制”のメリットを理解する顧客がセキュリティについてもクラウドの頑強さが理解されるようになりました。

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