SugarCRMといった企業は、ブレグジットによってもたらされる可能性のある変化に対応するための世界規模のタスクフォースを設置済みだ。Unisysといった他の企業は、こうした変化によって新たなビジネスソリューションへの扉が開く可能性を見出している。一方、英国に拠点を置く大手IT企業Vodafoneは拠点を英国外に移すことを検討中だ。
アナリストらは、ブレグジットによってもたらされる危険性について、いち早く警告を発してきている。Gartnerが7日に公開した新しいレポートには、ブレグジットが世界のIT支出に負の影響をもたらすとの予想が記されている。
Gartnerのリサーチ担当バイスプレジデントJohn-David Lovelock氏は「英国のEU離脱は景況感の低下と価格の高騰を招く可能性が高く、それにより英国や西欧諸国、世界のIT支出が影響を受けることになる」と述べた。
ブレグジットという決定により、支出や価格の変動に加えて、人材確保にも影響が出ると予想されている。Forresterのバイスプレジデント兼グループディレクターLaura Koetzle氏は「IT分野の人材や、顧客と接点を持つ職業の人材は英国を脱出するだろう」と同社のブログに記している。
IT分野で懸念の声が高まるなか、「平静を保ち、普段の生活を続ける」というJackson氏のアドバイスはAWSの顧客にとって受け入れ難いかもしれない。
まとめ
- 英国におけるAWSのクラウド責任者を務めるJackson氏は、ブレグジットが英国の国民投票で決定された後も、AWSが同社サービスの英国リージョンを立ち上げるという計画に変更はないと述べるとともに、顧客に対して英国への投資を継続するよう要請した。
- ブレグジットによって、英国に拠点を置いている、あるいは英国で操業している企業の間で不透明感が高まっており、多くは英国の国民投票の結果に否定的な反応を示している。Vodafoneは同投票を受け、英国外に拠点を移すことさえ検討している。
- ブレグジットという決定は、英国のIT業界にさまざまな面で影響を与えるだろうが、正確なところはまだ見えてこない。最も大きな影響が出るのはおそらく、価格や支出、人材となるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。