バンダイは、ECサイト「プレミアムバンダイ」のIT基盤を刷新し、稼働を開始した。基盤の性能は平均10倍以上に向上、今後のさらなる会員数と販売量の増大に耐えるシステム基盤が実現したほか、個人情報保護の強化に向けてデータベースセキュリティ製品群も導入されているという。製品を提供した日本オラクルが7月12日、発表した。
プレミアムバンダイは、子どもから大人まで楽しめるバンダイの公式ショッピングサイトとして、人気キャラクター商品やアパレル商品など、同サイトでしか手に入らないオリジナル商品を中心に販売している。2009年のオープン以来、順調な成長を遂げており、増大を続けるオンライントランザクションを処理する上で、従来のシステム構成を上回る、より高い処理能力が必要となりつつあったという。また、今後のグローバル展開も見据え、さらなるトランザクション増大にも対応できるIT基盤を構築することが求められていた。
そこで今回の刷新では、データベース処理の高速化と運用の簡素化を実現できるオラクルの高速データベースマシン「Oracle Exadata Database Machine」と、そのバックアップ基盤として統合ストレージ製品「Oracle ZFS Storage ZS3」を導入した。バンダイによると、Oracle Exadataの導入により、従来は約4時間かかっていたバッチ処理が約10分で完了するなど大幅な性能向上を実現したという。1分間あたりに処理可能なリクエスト件数も10倍以上に増え、サイト限定商品の発売などにともなうアクセス集中時のレスポンス低下の課題も解消したとのこと。
また今回、個人情報漏洩を含むデータベースに対するさまざまな脅威からの保護を目的として、データの暗号化を行う「Oracle Advanced Security」や秘匿性の高いデータに対するシステム管理者によるアクセスを厳密にコントロールする「Oracle Database Vault」、監査・監視を行う「Oracle Audit Vault and Database Firewall」、テスト環境を保護する「Oracle Data Masking and Subsetting Pack」などのデータベースセキュリティ製品群も導入した。これにより、個人情報保護法のガイドラインに求められる暗号化やデータベース管理者のアクセス制御、ログの取得・監視が可能となった。
バンダイ ネット戦略室 ゼネラルマネージャー 高原秀介氏は、以下のようにコメントしている。
「Oracle ExadataとOracle Advanced Security や Oracle Database Vaultなどのデータベース・セキュリティ製品群を採用したことで、従来に比べ非常に処理能力の高いECサイトと、高度なセキュリティで守られた会員情報管理基盤を実現しました。アクセス集中にも余裕で対応でき、グローバル展開を推進するための環境が整いました」