オープンイノベーションの進め方--他社との連携による技術革新 - (page 4)

林 雅之

2016-08-01 12:17

 特に、IoTの分野では、自社の製品やサービスだけで、ユーザー企業のニーズにあわせて自前主義でトータルに提供することは、極めて難しい状況だ。

 そのため、政府や民間企業などが、IoTを中心に異業種連携によるオープンイノベーションの動きが広がりをみせている。

 例えば、産学官が参画・連携し、IoT推進に関する技術の開発・実証や新たなビジネスモデルの創出推進するための体制を構築することを目的とした「IoT推進コンソーシアム」や、参加企業・団体などがベンダーフリーで相互に協創しながら、オープンイノベーションを通じてビジネスを創出することを目的とした「IoTパートナーコミュニティ」などをはじめ、多くの連携が進んでいる。

 IoT推進コンソーシアム体制
出所:IoT推進コンソーシアムホームページ IoT推進コンソーシアム体制

 今後、オープンイノベーションが進むことで、例えば、自動車メーカーと金融機関とクラウド事業者とコンビニエンスストアの連携といったような、これまで想定しなかった異業種連携やサービス連携のモデルへとシフトする可能性がある。新たなサービス提供モデルによる収益拡大の動きが加速するだろう。

林 雅之
国際大学GLOCOM客員研究員(NTTコミュニケーションズ勤務)。NTTコミュニケーションズで、事業計画、外資系企業や公共機関の営業、市場開 発などの業務を担当。政府のクラウドおよび情報通信政策関連案件の担当を経て、2011年6月よりクラウドサービスの開発企画、マーケティング、広報・宣伝に従事。一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) アドバイザー。著書多数。

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