シグマクシスは8月25日、企業のIT利活用能力向上のための包括的ITマネジメントフレームワークであるIT-CMF(IT Capability Maturity Framework)を開発・提供するアイルランドのイノベーション・バリュー・インスティテュート(IVI)と、日本初となる認定サービスプロバイダー契約を締結したと発表した。シグマクシスは、日本市場におけるIT-CMFの商用を認められた初のパートナーとしてIT-CMFの研究開発を支援するとともにIT-CMFを活用した「IT利活用能力成熟度診断サービス」の、国内企業に対する提供を開始する。
IT利活用能力成熟度診断サービスのイメージ。オンラインサーベイとインタビューを組み合わせ短期間で診断を実施するという
IT-CMFは欧州と米国を中心に500社以上で採用されている、IT利活用を継続的に管理・改善するための包括的フレームワーク。2010年に発表され、インテルやシスコなどのデジタル先進企業で採用されている他、日本でも大学や民間企業などで採用されている。
主な特徴は以下の通り。
- 「ビジネス価値」に重点を置く
- 広範かつ包括的に、既存の各種マネジメントフレームワークを包含する
- IT利活用能力改善のための具体的な活動を詳細に定義
- 産学のオープンイノベーションを通じ、最新の市場動向を順次取り込んで継続的改善を行う
シグマクシスでは今回のIVIとの認定サービスプロバイダー契約を受け、IT-CMFの知識体系とアセスメントの仕組みを活用して、企業のIT利活用能力の成熟度を様々な角度から評価する「IT利活用能力成熟度診断サービス」を開発し、その提供を開始した。具体的には、評価結果をチャートで可視化して提供するとともに、業界他社と比較したベンチマークレポートを用いて課題を提示し、事業における優先課題の解決に向けたIT利活用能力改善計画を提案、さらにその遂行の支援を行うことで、一連のITマネジメント業務のQCDの向上、変化への対応力の向上、イノベーションの促進を実現するという。さらに今後、IT-CMFとシグマクシスのITマネジメントの知見を組み合わせた新たなサービスを提供することで、日本企業のデジタル化のさらなる推進に貢献するとしている。
優先的に改善すべき課題を特定する際の概要。IT-CMFで定義された能力の成熟度、およびビジネスとITの認識ギャップを診断し、優先的に改善すべき能力と、目標とする成熟度を達成するために必要となる具体的な活動を提案
シグマクシスは2008年設立来、大手顧客企業に対してITIL(ITマネジメント領域におけるグローバル・デファクト・スタンダードになっている、ITサービスマネジメントのベストプラクティスをまとめたフレームワーク)を活用したITマネジメントコンサルティングサービスを提供してきた。5月には、IVIより講師を招聘してIT-CMFのトレーニングを受講し、主要メンバーがIT-CMF資格を取得するとともに、すでに複数の顧客企業に対して「IT利活用能力成熟度診断サービス」の提案活動を開始している。なお、IT-CMFの有資格者の人数は、国内コンサルティング会社では最多とのこと。