内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」

グループITの結束力を高めるには - (page 2)

内山悟志 (ITRエグゼクティブ・アナリスト)

2016-09-16 07:00

方針策定(レベル2→3) グループ/グローバルITに関する方針や中長期的な計画を策定するうえでは本社IT部門が主導するのが一般的ですが、全てを本社主導で決定するよりも、各事業体が参画して共同で策定するという方法が有効です。あるいは、グループ/グローバル全体に関わる大方針や共通的な領域の計画は本社IT部門が策定し、それを周知した上で各事業体がそれに従った計画や施策に落とし込み、全体的な計画に盛り込んでいくという方法も考えられます。

協力体制強化(レベル3→4) 方針や計画が共有され、意思統一がなされたとしても、実際にさまざまな施策を遂行しようとすると各事業体で足並みがそろわないことがあります。全ての事業体がコスト、人員、スキル、経験などを問題なくそろえられるわけではありません。本社IT部門からの支援やノウハウの共有など、協力体制を構築することが求められます。共同プロジェクトの推進や組織を越えた人材交流なども協力体制強化の方策となり得るでしょう。各事業体個別では実施が困難と考えられていた難易度の高い施策についても、協調して遂行することで実現可能となります。

協調的PDCA(レベル2→3) グループ/グローバルIT運営の高度化は、終わりのない活動といえます。協調的にIT戦略や施策が遂行されていても、常にビジネス環境は変化し、技術革新はとどまることはありません。本社IT部門と各事業体が歩調を合わせて継続的な改善のPDCAサイクルを回していけるよう、緊密なコミュニケーションと情報共有により信頼関係を深めていくことが求められます。

 グループ内でベンチマーク評価を行うことも有効な取り組みといえ、その結果を踏まえて強み・弱みを補完するなど、組織横断的な最適化が実現されます。

 グループ/グローバルを視野に入れたIT戦略施策の遂行は、力技で成し得るものではなく、組織間の協調関係がその土台となることを念頭に置く必要があります。そのためには、協調関係に着目したグループ/グローバルIT運営の成熟度を自己評価し、これに即した施策を進めていくことが有効です。

 また、同時に協調関係の成熟度を着実に高めていく取り組みを行っていくことが求められます。

内山 悟志
アイ・ティ・アール 代表取締役/プリンシパル・アナリスト
大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストとして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は、大手ユーザー企業のIT戦略立案のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。最近の分析レポートに「2015年に注目すべき10のIT戦略テーマ― テクノロジの大転換の先を見据えて」「会議改革はなぜ進まないのか― 効率化の追求を超えて会議そのもの意義を再考する」などがある。

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