Azure Event Hubs: アーカイブ機能がパブリックプレビューに
Azure Event Hubsは、アプリケーションやデバイスなどからの大量のイベントを取り込み複数のアプリケーションにストリームできる、スケーラブルなパブリッシュ/サブスクライブサービスです。
今回、Azure Event Hubsが受信したイベントデータをAzure StorageのBLOBストレージにアーカイブする機能「Event Hubs Archive」がパブリックプレビューになりました。
Event Hubsが受信したイベントデータは、Azure Stream Analytics にストリームするなどして、リアルタイムでイベント処理することができます。また、長期的なデータアーカイブやバッチ処理、あるいは、短期間のデータに対するマイクロバッチ処理などのために、データをアーカイブしたい場合もあります。これまでは、Azure Event HubsのデータをAzure Stream Analyticsにストリームし、そこで一定の時間ウィンドウで一連のデータをBLOBストレージに出力するように、クエリや入出力の定義を行うことができました。
新しいEvent Hubs Archive機能を使うと、時間ウィンドウ(1-15分、既定では5分)、サイズウィンドウ(10-500MB、既定では300MB)を指定できます。前回のアーカイブから時間ウィンドウの時間だけ経過する、または、前回のアーカイブ以降に受信したデータがサイズウィンドウのサイズを超えると、自動的にBLOBストレージにApache Avroフォーマットのファイルとしてデータが出力されます。出力されたファイルを、Avroをサポートしているツールを使って処理し、マイクロバッチ処理などお好みの処理を行うことができます。
詳細は、Azure Blogのポスト「Azure Event Hubs Archive is now in public preview, providing efficient micro-batch processing」、ドキュメント「Azure Event Hubs Archive」をご覧ください。

AzureポータルでのEvent Hubs Archiveの設定
Azure Service Fabric:Linuxサポートがパブリックプレビューに
Azure Service Fabricは、スケーラビリティと信頼性に優れたマイクロサービスアプリケーション向けの分散システム プラットフォームです。
Windows Server上で動作し.NETをサポートするAzure Service Fabricサービスは、今年3月のBuild 2016カンファレンスでプレビューからGA(一般提供)になっていました。同時に、Linux上で動作するAzure Service Fabricのプライベートプレビューが開始されていました。
今回、9月26日から開催されるIgnite 2016カンファレンスで、Linux対応のAzure Service Fabricのパブリックプレビューが開始されることが発表されました。当初は、Ubuntuをサポートし、Red Hat Enterprise Linuxのサポートも予定されています。Javaでマイクロサービスを記述でき、EclipseやJenkinsのサポートもあります。
さらなる情報はIgniteをお待ちください。現時点の詳細は、Azure Blogのポスト「Service Fabric on Linux support available this month」、ドキュメント「Linux上のService Fabric」、記事「MS、『Azure Service Fabric for Linux』のプレビュー版を9月26日から提供開始へ」、Channel 9のビデオ「Episode 212: Service Fabric Series (3 of 3) - Service Fabric on Linux」をご覧ください。

AzureポータルでのAzure Service Fabric Linuxクラスタの作成
それではまた来週。
- 佐藤直生 (さとうなおき)
- 1999年から、OracleでJava、アプリケーションサーバ、開発ツールなどのエンジニア/テクニカル エバンジェリストを担当後、2010年9月にMicrosoftに入社。Microsoft Azureの黎明期からエバンジェリスト/テクノロジストとしてAzureを担当。オライリーなどの技術書の監訳、翻訳も多数。 ブログ: https://satonaoki.wordpress.com/ Twitter: https://twitter.com/satonaoki