日本オラクル、100万円台の廉価版含むSPARC S7プロセッサ搭載サーバを発表

三浦優子 2016年10月13日 08時00分

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 日本オラクルは10月12日、最小構成価格132万円からの低価格モデルを含む、SPARC S7プロセッサを搭載した新製品を発表した。SPARC S7は、ローエンドサーバに搭載されていたSPARC T4シリーズの後継となるプロセッサだ。

 今回発表したのは、S7プロセッサを搭載した最小構成価格で132万円からと、従来のローエンドサーバの価格に比べ100万円引き下げを実現した「SPARC S7-2」、最小構成価格で186万円からの「SPARC S7-2L」、S7を搭載したミニクラスタ「MiniCluster S7-2](参考価格1548万円)、通信事業者向けの「Netra S7-2」(最小構成価格173万円から)、SPARC Cloud Service「SPARC Model300」の5製品。


 日本オラクル 執行役員 クラウド・システム事業統括 山本恭典氏は、「SPARCの強みは、シリコン・セキュアド・メモリによるセキュリティ強化。今回の新製品に対しては、社会基盤、公共、金融など高度なセキュリティが必要なお客様を持つパートナーから、『この価格なら最も攻撃を受けやすいデータセンターのフロント部分の認証、ID管理などに導入できる』と高評価をもらっている」と話し、既存のSPARCユーザーに加え、新規顧客獲得に意欲を見せている。

 日本オラクルでは、6月1日付けでSPARCの専門の営業組織を起ち上げた。この組織のビジネスの根拠となる市場規模について山本氏は、「SPARCの市場規模は、調査会社の調査によれば2015年時点で5445億円、2020年には減少するものの4228億円とされている。この中にはクラウドに利用する数値は含まれていない。また、性能さらに向上していくため、金額規模は減少していても販売台数は増えていくだろう」と説明した。

 ビジネス拡大の大きな武器になるのが、オラクルのソフトウェア部隊、ハードウェア部隊が協力することでうまれるシリコンにソフトウェア機能を搭載した、ソフトウェア・イン・シリコンだ。これによりデータベース高速化、シリコン・セキュアド・メモリによるセキュリティ強化を大きな強みとしている。


日本オラクル 執行役員 クラウド・システム事業統括 山本泰典氏

 「オラクルがサン・マイクロシステムズを買収したことで7プロセッサがリリースされた。本当の意味でハードウェアとソフトウェアのエンジニアが共同で設計、開発を行ったのがソフトウェア・イン・シリコン搭載機種である。これは2015年から実現し、今回提供を開始するS7は2つ目のソフトウェア・イン・シリコンを搭載した製品となる」(山本氏)

 このソフトウェア・イン・シリコンテクノロジは、2015年に発売されたM7プロセッサと同じアーキテクチャが採用され、シリコン・セキュアド・メモリ、暗号化アクセラレータを搭載している。64スレッドの8xコア、SPARCプロセッサの中で一番速い周波数4.27GHzで、15種類の暗号化をサポートする内蔵暗号化ユニットを搭載しているので、パフォーマンス劣化なく暗号化を実現する。

 このプロセッサを搭載したSPARC S7シリーズは、x86サーバに対してコアあたりのパフォーマンスは1.5倍から2倍以上を実現。1Uの最小構成価格は132万円から、2Uの最小構成価格は186万円からとなっている。1Uタイプの場合、Oracle Financingを利用すると月額2万7900円から利用できる。

 「Oracle MiniCluster S7-2」は、大規模システム向けに提供しているM7プロセッサ搭載のOracle SuperCluster M7の3分の1の価格となる1548万円。シンプルなSPARC/Solarisの小規模から中規模向けデータベースおよびアプリケーションシステム。250のセキュリティ制御を実現したセキュリティ・イン・シリコンを搭載し、Virtual Assistant機能を搭載した簡易な構成のモデルで、短期間に構築、設置が可能となっている。

 SPARC Model300は、「通常、クラウドというと中で利用しているハードウェアは明らかになっていないことが多い。しかし、SPARC Model300はきちんと中身をアピールし、クラウドの中でも安心して専有エリアでシステムを利用してもらうことができる」(日本オラクル クラウド・システム事業統括 製品戦略本部 シニア・ディレクター 近藤泰斗氏)とハードウェアが明確にされた上で利用できるクラウドサービス。


日本オラクル クラウド・システム事業統括 製品戦略本部 シニア・ディレクター 近藤泰斗氏

 ハードウェアの構成は、SPARCコンピューとノードとして300 SPARC M7 Cores、各コンピュートノードに30Core、442GBメモリ、各サーバにSolaris11シングルゲストドメイン、ZFSストレージを搭載など。

 日本オラクルでは、SPARC Model300をパブリッククラウドで利用し、SPARCの特性を理解したユーザーが、プライベートクラウドでもSPARCを活用することで、統一されたセキュアなプラットフォームの優位点を享受できるようアピールしていく方針だ。


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