Oracleは米国時間6月29日、サーバ製品やエンジニアドシステム、クラウドサービス向けとして「SPARC S7」プロセッサを発表した。
同社によると、SPARC S7プロセッサは4.27GHzで動作し、その構成は8コア、64スレッドだという。またこのプロセッサでは、セキュリティの強化と処理効率の向上、アーキテクチャの簡素化といった設計上の改善が図られているという。Oracleは、商用アプリケーションやカスタムアプリケーションが、同社のクラウドサービスを介したSPARCプロセッサ上で動作するようになると付け加えた。
ここで重要なのは、SPARCプラットフォームの適用範囲がクラウドサービスにまで広がり得るという点だ。今日のサーバ市場は、LinuxやWindowsが稼働するx86システムによってけん引されている。そのようななかOracleは、SPARCでUNIXを軸足を置いたサーバ市場戦略を展開している。
Oracleによると、SPARCプラットフォームの機能向上には、暗号化機能をハードウェアとして搭載することによるセキュリティの強化も含まれているという。また、信頼されたリポジトリやゾーンからシステムを起動することで、意図せぬ改変を抑止する機能も搭載されている。さらに同社は、アナリティクス処理のパフォーマンスが従来製品に比べて10倍になっているとも述べている。また、エンジニアドシステムとしての使用を念頭に置き、同プロセッサに管理用のタスクやコンプライアンス関連のタスクを数多く搭載しているという。
OracleはSPARC S7プロセッサを利用したクラウドサービスやシステムにより、コモディティ化しているx86並みの経済性を実現するとともに、同社の「Software in Silicon」技術によるセキュリティとアナリティクスの強化によって、エンタープライズ向けの機能をもたらそうとしている。
また、Oracleは中規模のワークロードに対応する「Oracle MiniCluster S7-2 Engineered System」をロールアウトした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。