グーグル、クラウドストレージのサービス体系を刷新--さらなる値下げも

Nick Heath (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2016-10-21 10:41

 Googleは米国時間10月20日、クラウドストレージのサービス体系を刷新するとともに、より低い料金で利用できる新たな階層を追加したと発表した。

 これにより「Google Cloud Storage」プラットフォームは、「Multi-Regional」と「Regional」「Nearline」「Coldline」という4つのタイプで提供されることになる。

 ColdlineはGoogle Cloud Storageの新しい階層であり、アクセスが1年に1回未満のデータを対象としたものだ。料金は4タイプのなかで最低価格となっており、1Gバイトあたり月額0.7セントで、1Gバイトあたり5セントのアクセス料金が必要となる。これはディザスタリカバリ(障害時の復旧)や長期のアーカイブを念頭に置いた階層となっている。Googleは、Coldlineによってコールドストレージに対する高速なデータアクセスが提供されると述べるとともに、他の階層と同様にミリ秒単位でのアクセスが可能だと述べた。

 コールドストレージの料金について言えば、GoogleはColdlineの提供によってAmazon Web Services(AWS)と肩を並べることになる。AWSは既に、「Amazon Glacier」で1Gバイトあたり月額0.7セントを実現している。

 以前からあったNearlineというストレージ階層は引き続き提供される。これは、バックアップやめったにアクセスされないドキュメントといった、頻繁にアクセスされることがないデータを対象としたものだ。料金は1Gバイトあたり月額1セントだ。

 Multi-Regional階層は世界の複数リージョンにデータを格納することで、1地域でのサービス中断に備えた地理的冗長性を確保するとともに、世界各地に散らばるユーザーにコンテンツを提供する際のローカルキャッシュとしての機能を提供し、レイテンシを低減するためのものだ。

 Multi-Regional階層の料金は1Gバイトあたり月額0.026ドルであり、米国とEU、アジアで利用可能となっている。なお、複数リージョンをまたがる既存の標準ストレージはすべて、Multi-Regional階層へと移行されている。

 そしてRegional階層は、特定のリージョン内で「Google Compute Engine」や「Google Cloud Machine Learning」といった同社のクラウドコンピュートサービスにデータをフィードするためのストレージを必要とするユーザーに向けたものだ。この階層は、データのトランスコーディングやビッグデータのアナリティクスといった、高いスループットを必要とするワークロードに適している。

 Regional階層の料金は1Gバイトあたり月額0.02ドルとなっている。単一リージョン内における既存の標準ストレージはすべて、Regional階層に移行されている。Googleによると新料金は11月1日から適用され、23%の値下げに相当するという。

 Multi-Regional階層とRegional階層におけるAPIの利用料金も11月1日から引き下げられる。具体的にはクラスAの操作料金が50%値下げされ、1000回の操作ごとに0.005ドルとなり、クラスBの操作料金は60%値下げされ、1万回の操作ごとに0.004ドルとなる。


提供:Google

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  2. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  3. ビジネスアプリケーション

    新規アポ率が従来の20倍になった、中小企業のDX奮闘記--ツール活用と効率化がカギ

  4. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

  5. ビジネスアプリケーション

    カスタマーサポート業務で生成AIはどう使えるか、代表的な活用場面を解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]