ストレージの注目テクノロジとは--SNIA菊地氏が解説
セミナーの最後には、SNIA日本支部 会長の菊地宏臣氏による特別講演「ストレージ関連テクノロジ・トレンドと日本でのエンドユーザ導入意向のご紹介」が行われた。
SNIA日本支部は、SANやNASの普及期からストレージと情報管理関連技術の標準化および啓発を行ってきた業界団体だ。SNIAは、啓発活動の一環として、一般ユーザー向けカンファレンス「Storage Networking World(SNW)」と、技術者向けカンファレンス「Storage Developer Conference(SDC)」を主催している。菊地氏は講演で、SNW、SDCにおけるテクノロジトレンドと、日本で実施したエンドユーザー向け市場調査の結果を紹介した。
SNWとSDCにおけるテクノロジトレンドというのは、各カンファレンスで行われるブレイクアウトセッションの講演テーマをキーワードとして抜き出し、どのような変遷を辿っているかを分析したものだ。各テーマのセッション数は、注目度の高低を表していると考えられる。そこで、2008年から2014年までの間にどのようなテーマが登場したかを整理した。
菊地宏臣氏
SNIA日本支部
会長
「一般向けのSNWでは、2008年にSSDやクラウド、2009年にグリーンや重複排除、2010年にクラウドストレージやVDI、2011年にビッグデータといったテーマが登場していました。2013年に入ると、オブジェクトストレージやSDDC、SDSが登場し始めます。また、技術者向けのSDCでも、2013年からオブジェクトストレージやSDxといった言葉が現れます」(菊地氏)
今後の動向として興味深いのは2015〜16年までのテーマだ。2015年のSDCでは、「SMR」「NVMe」「Persistent Memory」といった現在ホットな技術がキーワードとして登場した。また、2016年のSDCでは「Erasure Coding」「Hyperscaler」がテーマとなった。菊池氏「Persistent Memoryは2015年から2016年にかけてテーマ数が大きく増えるなど関心の高さを示しました」と指摘した。
一方、日本で実施したエンドユーザー向け市場調査については、2016年2月までに国内302社から得た回答のポイントを紹介した。全体の傾向としては、ストレージだけ担当しているユーザーは56%で、仮想化技術や省電力への関心が高いこと、売上や利益に結びつく業務システムへの投資が増加する傾向が見られた。
菊池氏は「フラッシュやSDSについては、ファイルサーバやバックアップでもフラッシュの利用が見込まれていること、SDSのニーズは多いが、ハイパーコンバージドなどのニーズは高いとはいえないという傾向でした」と話し、今後もSNIAとしてユーザーの動向を探っていくとした。
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