何を提供し、どのようなビジネスモデルならこれからも多くの企業に必要とされる存在であり続けることができるのか。先進的な取り組みをしているSIerがこれまでの取り組みや展望を語る。今回は3回目(第1回)、(第2回)。参加者は以下の6人。
参加者
- NTTコミュニケーションズ エバンジェリスト 林雅之氏
- セゾン情報システムズ常務取締役 最高技術責任者(CTO)小野和俊氏
- クリエーションライン 代表 取締役社長、安田忠弘氏
- アイレット(クラウドパック) 執行役員 エバンジェリスト 後藤和貴氏
- アバナード ケイパビリティ・デベロップメント・ディレクター 和田玄氏
- 司会 ZDNet編集部 山田竜司
上司に新規事業をやれと言われたら
――SIerの中で上司に「新規事業をやれ」と言われたらどうすればいいのでしょうか。

アイレット(クラウドパック) 執行役員 エバンジェリスト 後藤和貴氏
小野氏:新規事業をやるというのはそもそもベンチャーを立ち上げるようなものなので、難しい。「SIerあるある」として、ある日いきなり名刺に「新規事業担当」と書かれるというのがあります。他社にもそういう人がいて、新規事業担当同士で会って「今後とも情報交換をよろしくお願いします」と言い合って帰る。だけどお互いに情報も経験もないから、交換するものが何もない。だから、そんなことをしてもまったく意味がない。
前に話題になった、CIAのスパイ・マニュアルがありますよね(Simple Sabotage Field Manual)。これは敵国の企業をサボタージュするためのマニュアルで、「とりあえず委員会をつくらせる」などと書かれているのですが、新規事業でもそれと同じような様相を呈する。
ベンチャーもそうですけど、ハコをつくればうまくいくかというとそんなことはない。人数をそろえてもお金を入れても、あるいは担当のポストをつくっても、必ずしもうまくいかない。だから、チームをつくればうまくいくということも全然ない。