Amazon Web Services(AWS)の最高経営責任者(CEO)Andy Jassy氏は米国時間11月30日、同社の年次カンファレンス「re:Invent 2016」において、トラックを会場に持ち込み、同社がクラウド分野においていかに型破りな企業であるのかを強調した。同社は顧客の問題解決に向けて全力を尽くし、ビジネスと顧客の獲得に向けて枠にとらわれることなくものごとを考えている。
その好例が「AWS Snowmobile」だ。Jassy氏が同カンファレンスの基調講演で言及したように、パブリッククラウドへのワークロードの移行における最大の難関の1つがデータのマイグレーションだ。それであれば、企業のデータをそっくりそのまま吸い上げ、AWSに輸送するトラックを用意すればよいのではないだろうか?
Snowmobileは、大規模(ペタバイト規模の)データセットをAWSに輸送することが目的となっている。ハイブリッドクラウドを採用する論拠として、ある種のワークロードの移送は非現実的だというものがある。帯域幅とネットワークだけを見ても、AWSへの移送は不可能だろう。
AWSは、最大100ペタバイトのデータを格納し、数週間でエクサバイト規模のデータを輸送できるセキュアなトラックを用意した。Snowmobileは、顧客のネットワークに接続され、ローカルボリュームとしてマウントされる。その後、クラウドデータセンターに向けて出発し、最終的にデータを送り届けることになる。Snowmobileは少し突拍子もない発想だが、これによって現実的に問題は解決できる。
同社は「AWS Snowball Edge」に関する概要も説明した。これは、「AWS Lambda」を組み込むことでサーバレス機能を実現したストレージアプライアンスだ。IoTデバイスにSnowball Edgeを接続することで、接続性やストレージ、クラスタリング機能を追加できるようになる。
ここで興味深いのは、Jassy氏がオンプレミスインフラというものを再定義した点だ。サーバやデータセンターは関係ない。ネットワークに接続されているセンサやデバイス自体が、オンプレミスインフラとなる。AWSがIoT機器の混在するこのような世界で活躍したいと考えるのは自然な話だろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。