インテル セキュリティは11月29日、「McAfee Labs 2017年脅威予測レポート」を発表した。同社の脅威調査部門であるMcAfee Labsが予測した2017年に注目すべき14項目の脅威動向をはじめ、クラウドとIoT分野のセキュリティで注目すべき重要な進展、サイバーセキュリティ業界が直面する6つの困難な課題について紹介している。マカフィーが12月1日、抄訳で伝えた。
2017年の脅威予測14項目
2017年の脅威予測の概要は以下の通り。
- 2017年後半にランサムウェア攻撃の量が減少し、勢いが低下
- Windowsの脆弱性を狙う攻撃が減少する一方、その他のITインフラ向けソフトウェアや仮想化ソフトウェアを標的とする攻撃が増加
- ハードウェアやファームウェアを狙う高度な攻撃が増加
- さまざまな犯罪やハクティビスト活動を目的とした“ドローンジャック”
- モバイルデバイスで、ランサムウェアによるデバイスのロックだけでなく、認証情報を窃取して、銀行口座やクレジットカードなどにアクセスするサイバー窃盗が可能に
- IoTマルウェアがホームネットワークのバックドアから侵入し、長期間にわたり潜伏
- 機械学習が、ソーシャルエンジニアリング攻撃やその技術向上を加速
- 偽広告や「いいね!」の購入がまん延し、インターネットの信用が失墜
- 広告戦争の激化がマルウェアの配信を加速
- ハクティビストが個人情報問題の議論に重要な役割を担う
- 警察と業界の協力体制が強化され、サイバー犯罪に大きな影響を与える
- 脅威インテリジェンスの共有に大きな前進
- 国家と同様に、民間や地下犯罪組織にもサイバースパイ活動がまん延
- 物理セキュリティ業界とサイバーセキュリティ業界が協力し、デジタル脅威に対抗する製品を進化
クラウドとIoTのセキュリティに関する予測
McAfee Labsはまた、これからの4年間のIoTとクラウドのセキュリティにおける、脅威、経済、政策、各地の地域的傾向などを予測している。
クラウド関連の予測では、クラウドの信頼性、知的財産の保管、従来式の認証、360度からの攻撃、サービスレイヤ間のギャップ、クラウドの雇われハッカー、“ランサムウェア型DoS”攻撃、クラウドセキュリティモデルにおけるIoTの課題、法律や訴訟に対するイノベーション、国境を超えるデータ移動、クラウドを活用するための生体認証、クラウドアクセスセキュリティブローカー(Cloud Access Security Brokers、CASB)、保存データと実行データの保護、機械学習、サイバー保険、クラウドの製品やサービスで選択しなければならない「スピード/効率性/コスト」と「管理/可視化/セキュリティ」の矛盾などのテーマを通じて紹介している。
IoT関連の予測では、サイバー犯罪の経済性、ランサムウェア、ハクティビズム、犯罪基盤としての国家攻撃、デバイスメーカーが抱える課題、個人情報の脅威と機会、暗号化、挙動の監視、サイバー保険とリスク管理に注目しているという。
業界が抱える6つの重要課題
レポートでは、最新の脅威予測レポートの困難な課題についても触れている。具体的には、防御者と攻撃者間における情報格差の解消、攻撃者側の必要コストの上昇/利益の低下、サイバーセキュリティ関連の可視性の向上、正規のツールを悪用された際の検知力の向上、分散しているデータの保護強化、エージェントレス環境での検知と保護について、脅威からの防御を向上するための方策を提起している。
インテル セキュリティのMcAfee Labs担当は「攻撃者の手法に打ち勝つには、以下の6つに注力するべきである。すなわち、脅威の状況を把握するだけでなく、両者間の情報格差の解消、攻撃者側のコストを増加させること、セキュリティに関する可視性の強化、正規のツールを悪用された際の検知力の向上、分散しているデータの保護強化、そしてエージェントを使用しない環境での検知と保護の実現など」とコメントしている。
レポート全文はこちらから。