Microsoftの「Azure」は、クラウドコンピューティングサービスとしてのみ認識されているかもしれないが、最高経営責任者(CEO)のSatya Nadella氏によると、Azureは初の人工知能スーパーコンピュータの基盤となることを目指しているという。
Nadella氏はダブリンで開催されたイベントで、AIテクノロジを使用する新しいアプリケーション群がMicrosoftのクラウドコンピューティング製品によって支えられていることを説明した。
「結局のところ、クラウドの本質は次世代のアプリケーションを実現することだ。インフラストラクチャの発展を促してきたのはいつでも次世代のアプリケーションだった。人々が現在構築している最新世代のアプリケーションに目を向けると、これらのアプリケーションを今後定義していくもの、これらのアプリケーションを特徴づけるものは、機械学習と人工知能である。われわれがAzureを初のAIスーパーコンピュータとして拡張しているのはそのためだ」(同氏)
これが意味するのは、従来のCPUアーキテクチャだけでなくGPUもベースとするクラウド処理能力を構築することだ。GPUはこれらのワークロードを処理するのに適している。なぜなら、GPUをスケールアウトして、多数のGPUでタスクを並列処理ことが可能だからだ。これとは対照的に、個々のマシンにより高速なCPUを搭載する従来型のアプローチはますます困難になっている。
同氏は、「機械学習、特にディープニューラルネットを考えたとき、GPUの方がそれらのアルゴリズムのパフォーマンスと拡張にはるかに適していることが分かった」と述べた。さらに、同氏によると、AzureのすべてのコンピュートノードにFPGA(Field Programmable Gate Array:内部の回路構成を書き換えることができるLSI)が搭載されているという。つまり、開発者はニューラルネットワークコードを記述してFPGAファブリックに配信し、「プロセッサの速度で実行」することができると同氏は述べた。
このAI指向アーキテクチャの上で、Microsoftは音声、画像、オブジェクト認識、および自然言語処理サービスに接続するAPIなど、さまざまなAIサービスの構築を支援する高レベルのサービスも提供するとNadella氏は話した。
提供:Microsoft
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。