海外コメンタリー

マイクロソフトの研究者らが展望する2016年--人工知能やセキュリティなど

Liam Tung (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子 2015年12月14日 06時45分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Microsoftのトップクラスの研究者らは、2016年が「技術革新の黄金時代」になり、人工知能(AI)分野で大幅な進歩がもたらされるとともに、人を陽気にさせるマシンすら登場するようになるだろうと考えている。

 MicrosoftはAIに多大な投資を行っており、「Project Oxford」や「Cortana」、AIチャットボット「XiaoIce」などのイニシアティブを推し進めている。

 こういった投資に目を向けると、今後の10年間で生み出されるすべてのものごと(人との会話から雇用、業界、科学的発見に至るまで)を変革するうえでの土台となるテクノロジが、2016年に転換点を迎えるとMicrosoftの研究者らが考えているのも不思議はないはずだ。

 Microsoft Research NExTのエンジニアであるLili Cheng氏によると、2016年には「コンピュータや携帯電話、われわれの記憶、人間関係についての考え方を根底から揺るがす」ような、機械によって支援された才知が人にもたらされるだろうという。

 「オンライン上の会話は、人を陽気にさせたり、生産性の向上を支援する会話アシスタントが介在したりするものになっていくだろう」(Cheng氏)


「オンライン上の会話は、人を陽気にさせたり、生産性の向上を支援する会話アシスタントが介在したりするものになっていくだろう」(Lili Cheng氏)
提供:Shutterstock

 それとは逆に、機械が人を支援するのではなく、人が機械を支援するようになるかもしれない。Microsoft Research Asia所長の洪小文氏は、AIと「人の協力」を組み合わせたパーソナルアシスタントサービスが普及すると見込んでいる。

 Microsoft Research Redmond LabのEric Horvitz氏は、機械との対話でなめらかなやり取りを実現する技術が進歩することで、コンピュータやスマートフォンとの自然言語での会話が増えていくと予想している。

 「パーソナルアシスタントは、ユーザーの抱えているタスクや、誰かとの約束といった、日々の重要な出来事を理解できるようになるため、本当に役立つものとなる」(Horvitz氏)

 Microsoft Researchの主任研究者であるKate Crawford氏によると、MicrosoftのXiaoIceのようなAIエージェントが、将来的には人と同じ役割を果たせるようになるため、「医者や弁護士、セラピストに期待されるものと同じ倫理的、そして法的な関係を樹立する必要がある」という。

 次に、Human Computer Interaction(HCI)分野に目を向けると、2016年はスタイラスの年ともなるだろう。Microsoft Researchの主任研究者であるBill Buxton氏によると、スタイラスは「われわれがデジタル機器とやり取りするさまざまな手段のなかで、幅広くサポートされるようになり、相応の地位を獲得するようになる」という。

 さらに、セキュリティ分野に目を向けてみよう。Microsoft Researchのセキュリティおよび暗号学担当ディレクターであるBrian LaMacchia氏によると、2016年の重要な技術革新として、量子コンピュータを利用した攻撃にも耐えられる暗号化ウェブ接続が実証されるだろうという。

 Microsoft Research IndiaのSriram Rajamani氏は、甚大な被害をもたらした最近のハッキング事件や、ハッカーが既存の防御対策を比較的容易にう回できるという状況にもかかわらず、ハッカーの侵入を許さないハードウェアが登場するだろうという楽観的な見解を持ち続けている。

 同氏は、IntelのSoftware Guard Extensions(SGX)を例に挙げ、「OSやその他のインフラといったものがハッカーの侵入を許した場合でも、セキュリティを保証する新世代のシステムソリューションが登場するだろう」と述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
ITアナリストが知る日本企業の「ITの盲点」
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]