--デザインチームとのコラボレーションはどうか?
デザインチームがアプリケーションの性能、どのように利用されているかを知ることのメリットは大きい。今後の強化分野の1つだが、すでにApp Experience Analyticsではヒートマップとしてモバイルアプリケーションでユーザーが画面のどこをタッチしているのかの情報を表示する機能がある。デザインチームはこの情報を活用して、購入ボタンの位置を変更するなどの改善を図ることができる。
--APM分野でのAIの活用は?
アプリケーションのリリースのスケジュール、自動化ソリューション「CA Release Automation」があり、今回APMとの統合を発表した。リリースされるソフトウェアにモニタリングが組み込まれるもので、これが最初のステップとなる。
すべてのアプリケーションでAPMが使われていなかったかもしれないが、Release Automationとの統合により、すべてのアプリケーションでモニタリングが可能になる。
よりプロアクティブな検出については、APMの最新版(バージョン10.5)で、「Assisted Triage」を導入した。パターン検出機能を使い、問題を修正する方法を提案するというものだ。データベースが遅いなど、アプリケーションに問題があればパターンを記録して、運用側が修正を提案してくれるレコメンエンジンのようなものだ。自動化は次のステップになる。
--インフラレイヤにはクラウドのトレンドがあり、開発側でもコンテナ、マイクロサービスなどのトレンドがある。これらはアプリケーションの性能にどれぐらいの影響を与えている?
あまり語られていないが、かなりの影響を与えている。例えばマイクロサービスはコードをすぐにリリースできる素晴らしい技術だが、性能の観点から見ると予測不可能なところがある。また、コンテナとマイクロサービスは、”ブラインドスポット(盲点)”を作ってしまうことがある。スマートフォンのアプリは15以上のサービスと連携していることも多く、これらすべてのトランザクションを追跡できない場合、ユーザー体験が悪くても、どのサービスが問題なのかわからない。
インフラは、10年前なら運用にコンタクトしてサーバを調達し、設定して…というプロセスがあったが、現在はこれを省いてクラウドを利用する。アプリケーションをモニタリングしたり、管理した経験がないため、何かがおかしくなったときに困るということがある。
--BlazeMeterを買収した。買収の狙いは?
BlazeMeterは性能とロードテストを行うツールを開発する。例えば小売りのサイトがアプリケーションを設計し、負荷が大きい時にどのような性能になるのかを知ることができる。レスポンスをみる性能テストもできる。
BlazeMeterは、オープンソースのパフォーマンステスト「JMeter」をベースとしている。開発チームを獲得し、CAの他のチームと統合することで相乗効果を出していく。パフォーマンステスト、ロードテストはAPMを補完できる。テストシナリオ構築時にAPMがテストシナリオの結果を分析、通知できるようにしていきたい。