最高情報責任者(CIO)はモノのインターネット(IoT)の力に気づいている。
451 Researchの調査によれば、ITリーダーの4分の3近く(71%)が、IoTの取り組みについて情報を収集している。またIDCは、IoTに対するグローバル投資が、今後3年間で1兆2900億ドル近くに達すると予想している。
では、来たるべきIoT新時代から最大の恩恵を得るには、どうすればよいのだろうか。この記事では、著名なITリーダーのアドバイスを紹介する。
市場の現状を理解する
現時点では、IoTに対する投資が成功する保証はないことを理解しておく必要がある。451 Researchによれば、ITリーダーの半分が、IoT導入のもっとも大きな障害としてセキュリティを挙げており、依然としてセキュリティが重大な懸念事項になっている。さらに回答者の41%が、投資対効果やビジネスに対するメリットが不明だと回答している。
Travis PerkinsのCIOであるNeil Pearce氏は、IoTの可能性に関心を持っているITリーダーの1人だ。しかし他のCIOと同様に、同氏もIoTはまだ萌芽期にある分野だと考えている。「この分野はおそらく今後数年間は混乱するであろうし、ほとんどのCIOは実際の導入は行わず、当面は調査を続けるだろう。多くの企業やプロバイダーにとって重要なのは、適切な基礎を固めることだ」と同氏は述べている。
どれだけの取り組みが必要かという問題に関して、Pearce氏は、しばらくは重要な展開は出てこないだろうと述べている。「CIOはIoTから多くのメリットを生み出せるようになるだろうが、それまでの道のりはかなり遠いはずだ」と同氏は述べている。「私はIoTや、関連する領域のロボット工学とアナリティクスは、デジタル技術が前進するための鍵となる領域だと考えている」(Pearce氏)
451 Researchは、IoTのエンドポイントから得られたデータを利用しているITリーダーが69%に達していることを指摘し、セキュリティやコンプラインスなどの分野の発展においては、データのアナリティクスが重要な役割を果たすと述べている。451 ResearchのアナリストIan Hughes氏は、IoTで重要なのは所有しているデータについて理解することであり、新しいビジネスモデルを生み出すには、リアルタイムでは戦術的に、長期的には戦略的に行動する必要があると述べている。
IoTに対する投資がもっとも大きい業界は運送業だ。
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