12月21日に、IoTパートナーコミュニティの事務局を務めるウフルと日本OMGによるIoTビジネス推進組織「i3(Industrial Internet Institute)」が、戦略的に提携すると発表した。日本におけるIoTビジネスへの組織的な取り組みは、現在どのような状況にあるのか。
一般社団法人日本OMGの吉野晃生代表理事、ウフルのIoTイノベーションセンターマネージャーの松浦真弓氏、米国のIIC(Industrial Internet Consortium)のStephan Mellor最高技術責任者(CTO)に話を聞いた。
--まずはIICとi3の関係について教えてください。
吉野氏 i3とは、IoTによるプロジェクト創造を目的とした米国IICから公表された情報をもとに、日本におけるIoT推進のアプローチをしている組織です。IICは2014年に設立されたのですが、そのまとめ役を米国のOMGのトップが担っていたため、日本OMGの私が IIC Sales Representative Japanとして、日本での窓口を担当していました。

一般社団法人日本OMGの吉野晃生代表理事
ドイツのIndustrie 4.0や米国のIICなど、IoTによるプロジェクト創造を目的とした組織は各国で登場していますが、日本では2015年くらいまで関心が持たれていませんでした。そうした状況に対して、日本OMGでi3(industrial internet institute) を立ち上げ、IICのプロモートを行っています。IICとはオフィシャルな連携はありませんが、協力関係にあるという位置づけです。
IICには大手企業などは入っているものの、日本の中小企業には敷居が高いため、中小企業がIoTビジネスを実現するために、i3でオープンな検討や事例構築をしています。
主な活動は、IIC発表資料の解説です。IICは、Reference Architecture、Security Framework、Business Strategy Innovation and Frameworkの3つのオフィシャルドキュメントを出しています。ドキュメントは膨大で展開の仕方を理解することは難しいため、どうやってIoT技術に適用すればよいのか、どこが重要なポイントなのかをi3が解説しています。
そして、資料を読み込んだ後には、各企業がプロジェクトを作ることを提案します。基本的なガイドをもとに、ローカルなIoTプロジェクトを一から育てるのです。連携のために、それぞれの企業がどのような価値を作れるのかを考え、挑戦してもらいます。