Oracleは米国時間2月10日、GoogleのモバイルOS「Android」におけるJava APIの使用は「フェアユース」(公正な利用)に相当するという、米連邦地方裁判所で2016年に下された判断を不服として上訴した。
提供:James Martin/CNET
2016年5月にこの判決が下された際、Oracleは米連邦巡回区控訴裁判所に上訴する計画だと述べていた。同控訴裁判所は2014年に、Java APIが著作権の保護対象だとの判断を下している。
2016年の米連邦地方裁判所における裁判で、Googleは37件のAPIパッケージの使用がフェアユースの要件を満たしているとの判断を陪審員団から勝ち取り、Oracleが求めていた90億ドルの賠償金の支払いを回避した。
Oracleは今回、連邦地方裁判所によって「Oracleの主張が何度も弱体化され」、陪審員団の決定が誤った方向に導かれたという点で、新たな裁判を求める権利があると主張している。同社はその一例として、裁判所がJavaはPC用のものであり、Androidはスマートフォンに限定されているというGoogleの誤った主張を受け入れているが、JavaとAndroidはスマートTVや自動車、ウェアラブル製品といった分野のプラットフォームとして競合しているという主張を挙げている。
The Registerが入手した訴状には「連邦地方裁判所は、スマートフォンとタブレット以外のあらゆる市場でのGoogleとの競合に関するすべての証拠を除外した」と記されている。
また、「この証拠は、Googleの主張しているフェアユースという抗弁の中核をなす『トランスフォーマティブ』な利用(変形的利用)という理論を突き崩すものだった」とも記されている。
Oracleは、「剽窃(ひょうせつ)者が小説の最も特徴的な部分を取り出して映画化した」場合と同様の「典型的な不正利用」をGoogleがしていると訴えている。
訴状にはさらに、「Googleは、OracleのJavaプログラミングプラットフォームから、著作権で保護されているコードを数千行にわたってコピーした。Googleは競合するAndroidプラットフォーム内で該当コードを同様の目的で使用した点を認めており、同プラットフォームは既にこの裁判所で、『完全に商用』目的であると判断されている。Googleは莫大な利益を得る一方で、OracleのJavaビジネスを台無しにした」と記されている。
Oracleは、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に対して新たな審理を求めたものの、2016年9月に却下されている。同社によると、GoogleはAndroidアプリをChrome OSハードウェア上で実行可能にするための「ARC++プロジェクトに関する情報を一切開示していなかった」という。Oracleはこれを根拠に、新たな審理を求めることができると主張していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。