トップランナーの動きは?
調査では回答者の企業の取り組み状況から、トップランナー(27.4%)、セカンドランナー(50.0%)、フォロワー(15.9%)に分けてクロス分析を行い、トップランナーの特徴を考察している。
自社の取り組み状況から3つに分類(出典:JUAS)
まずデジタル化の影響を経営や事業部門などの関係部門と、どの程度共有しているかについては、トップランナーの企業では31.6%、セカンドランナーの企業では12.5%、フォロワーの企業では9.1%だった。
デジタル化への対応戦略は、「既に策定済み」がトップランナーで29.8%、フォロワーでは3.0%だった。「現在策定中」もトップランナーでは54.4%に上るが、フォロワーでは36.4%だった。
戦略の策定状況(出典:JUAS)
デジタル化の対応体制は、トップランナーとセカンドランナーでは「IT部門と事業部門の共同チーム」が4割強で最も多い。フォロワーでは「IT部門中心」「事業部門中心」がともに3割強と、どちらか片方が中心になる傾向を示した。また、「デジタル化専門部隊」と挙げたのは、トップランナーでは14.0%だが、フォロワーは0%だった。
デジタル化の中心的役割はどこか(出典:JUAS)
IT投資全体に占めるデジタル化の割合は、トップランナーでは「10%以上」が50.8%に上り、「50%以上」も7.0%だった。フォロワーでは「10%未満」が72.7%で最も多い。
また、レガシーシステムの存在がデジタル化の足かせになっているとの回答は、全体では67.2%に上った。レガシーシステムの現況については、トップランナーでは半数以上が「既ににない」「一部領域に残っている」としたが、フォロワーでは「半分程度」「ほとんど残っている」が約7割を占めた。
レガシーシステムの状況(出典:JUAS)
注目技術と導入状況
回答者がデジタル化で着目している技術について上位3つを挙げた中では、「IoT」を第1位と第2位に挙げる割合が高く、これに「AI」が続く。しかし、第3位では「ブロックチェーン」や「x-Tech」「VR」「ウェアラブルコンピューティング/ドローン」など、さまざまな技術が挙げられた。
回答者が第1位に挙げた技術の導入状況は、「本格的に導入済み」(8.2%)や「実証実験中」(40.4%)と、半数近くが既に対応を始めていた。回答者の45.2%も「探索中」とするなど、技術への関心の高さが浮き彫りになっている。