上司に「AIをやれ」といわれたら--機械学習プロジェクトで成果を出すために(前編) - (page 2)

田中耕太郎 2017年04月03日 07時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 とはいえ、組織がこれから機械学習を始めるというフェーズにある場合は、思い切って最初の一歩を踏み出すという決断も重要です。

 そのような場合は社内に知見や経験を蓄積するという側面もありますので、比較的わかりやすく、成果が出やすいタスクから始めるとよいでしょう。

 例えば、後述する「性別推定」は取り組みやすく成果が出やすいタスクだと思います。一方、「登録時にLTV(Life Time Value)を推定」といったタスクは難しく、さまざまな工夫が必要となります。

どこで機械学習が使えそうか、順を追って考える

 1つ例を用いて考えたいと思います。ある動画配信サービスを運営している企業が、動画の選択画面に広告を表示することで収益を得ているとします。ここで、「広告収入の増大」を実現させるために機械学習を活用する例を考えてみましょう。

 広告収入は大雑把に言えば「クリック単価」×「クリック回数」と分解され、施策により改善しやすい要素は「クリック回数」だとしましょう。

 「クリック回数」は「表示回数」×「クリック率」まで分解できます。この例ではクリック率を上げるための具体的な施策を掘り下げます。


 施策を考える際には関係者で検討し、いくつかの有望な案と課題を洗い出します。ここでは例として下記の2つを取り上げます。

案1:「動画の好み」に応じた広告の出し分けをする

  • 課題:ユーザーごとの嗜好性は把握できていない
  • 案2:「性別」と「年齢」でユーザーを分類して広告の出し分けをする

  • 課題:ユーザー情報として、性別も年齢も取得していない

 案1に関しては、動画配信サービスであるため利便性向上を目的として「好きなジャンル」を会員登録時に尋ねても特に違和感はありません。

 しかし、案2の性別や年齢に関しては動画閲覧に必要な情報ではありませんし、個人情報をなるべく登録したくないという人も増えている中、このような質問はサービスからの離脱を招いてしまう可能性もあります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
ハードから読み解くITトレンド放談
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
Gartner Symposium
企業決算
ソフトウェア開発パラダイムの進化
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化