かねてから予告されていた、「Azure」で「Windows 10 Enterprise」の仮想デスクトップを利用できるようにする「Citrix Cloud」のサービス、「XenDesktop Essentials」の提供が開始された。
このサービスの価格が明らかになったのは、今週になってからだ。XenDesktop Essentialsの利用料金は、1ユーザーあたり月額12ドル、年額では144ドルとなる。最低ユーザー数が25人に設定されており、課金は月ごとに行われる。
現在もWindows 7およびWindows 8.1のクライアントをAzure上の仮想マシンで実行することは可能だが、開発とテストの目的にしか利用できず、他の用途で利用した場合、ライセンス違反となる。
Microsoftは2016年に、Windowsのユーザーごとのライセンス(「Windows 10 Enterprise E3/E5 Per User」または「Windows VDA Per User」)を利用している顧客には、Windows 10 EnterpriseのCurrent Branch for Business(CBB)をAzure上や一部サードパーティパートナーのデータセンター上で実行できる新たな仮想化サービスが利用可能になると述べていた。筆者の知る限りでは、実際にこの新サービスを利用するには、エンタープライズ向けボリュームライセンス契約で、ソフトウェアアシュアランスを利用している必要がある。
Citrixは過去に「XenDesktop Essentials」のリリース時期は2017年第1四半期だと発言していたが、その約束はギリギリで果たされたことになる。
提供:Microsoft
Azure Marketplaceでは、Citrixの新しい仮想化製品がもう1つリリースされた。この「XenApp Essentials」(旧称「XenApp Express」)は、提供終了が予定されているMicrosoftの「Azure RemoteApp」の代わりとして位置づけられている。
XenDesktop EssentialsはWindows 10のデスクトップを仮想的に実行するものであるのに対し、XenApp EssentialsはビジネスアプリケーションをAzureからリモートに配信するサービスだ。
XenApp Essentialsでも、最小ユーザー数は25人に設定されている。こちらも価格はユーザー1人あたり月額12ドル、年額144ドルで、筆者が知る限り、利用するにはエンタープライズ契約とソフトウェアアシュアランスのライセンスが必要となる。顧客が既存のライセンスを持っている場合はそれを利用することもできるが、Azure Marketplaceを通じて、1ユーザーあたり月額6.25ドルでMicrosoft Remote Accessの利用契約を結ぶこともできる(この場合、RDS CALを別途購入する必要はない)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。