座談会@ZDNet

マーケティングは「CEOと取り組むもの」--成果の出しやすいITを:座談会(5) - (page 4)

山田竜司 (編集部) 吉澤亨史

2017-05-26 07:00

 中東氏:ネスレやP&Gはドメスティック戦略をしているので、まさにそうですよね。グローバルカンパニーですが、日本と米国で独自のことをやっています。

 飯室氏:私が所属していたGEヘルスケアではサムスンから人を呼んで講習会などを実施してもらっていましたが、彼らはいやらしいくらいに、ローカライズしているようでした。

 槇氏:実際に、海外ではどんどん地域密着型に振り切っていて、私たちの顧客でも同様の方針を志向している企業がどんどん増えていますね。


2BC株式会社 代表取締役 尾花淳 氏

 飯室氏:Googleだってローカライズを一所懸命やっていて、GoogleからGEに来たIT関係の人が、ワンインスタンスでセールスフォースを作るとかいうのは、「完全に(ローカライズというトレンドに)逆行している」というのですが。IT部門は「いや、ワンインスタンスだ」と言いますね。

 尾花氏:そうですね、無駄にコンピューティング機能が上がり、パフォーマンスが上がったせいで、(売り上げのなどの成果に貢献するか否かではなく)ワンインスタンスでできる可能性がどんどん増えてしまっているのですね。

 中東氏:システム上の管理が楽だという理由で。

 槇氏:私たちの顧客企業でも、先進的な企業をとことんベンチマークして、まずは先進企業に追い付こうというアプローチをとる企業があります。

 もちろんベンチマーク対象の企業も進化していきますから、追いつくことは簡単ではないのですが、学べるところはたくさんあります。

 IT関連の施策の場合、ほとんどが社内に閉じていて公開されていないため、外部からはベンチマークできない要素がたくさんありますが、幸いなことにマーケティングは社外に発信・公開されるものが多いので、学べることがたくさん見つかります。

 なので、まずはマーケティング先進企業の取り組みについて、外部からとことん調査するところから始めたらどうでしょうか、と進言するケースもあります。

 <第6回へ続く>

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