Microsoft Build

マイクロソフト、グローバル分散データベース「Azure Cosmos DB」発表

Mary Jo Foley (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-05-11 12:20

 Microsoftは米国時間5月10日、ワシントン州シアトルで開催中の開発者向けカンファレンス「Microsoft Build 2017」で、新たな大規模分散データベース「Azure Cosmos DB」を発表した。


提供:Microsoft

 Azure Cosmos DBはMicrosoftの「Azure DocumentDB」サービスのスーパーセットとなる製品だ。Microsoftが10日に述べたところによると、同社はDocumentDBの顧客とデータすべてを無償でCosmos DBに移行する計画だという。

 同社が筆者に説明してくれたところによると、Cosmos DBには「Cosmos」という単語が含まれているものの、Microsoftが社内で開発、利用している大規模な並列ストレージおよび計算処理サービスである「Cosmos」や、Cosmosの技術を顧客向けに実装した「Azure Data Lake」の派生製品とは関係ないという。

 Microsoftは、自社内で広域分散アプリケーションに取り組む開発者を支援する目的で、2010年の末にCosmos DBの開発に着手したという。その後、同社は2014年に、アプリケーション開発にNoSQLサービスを使いたいと考えている企業の開発者向けに、DocumentDBのプレビュー版をリリースした。MicrosoftはCosmos DBを「DocumentDBの進化における次なる大きな飛躍」と呼んでいる。

 DocumentDBの場合と同様、MicrosoftはCosmos DBのことを、「惑星規模」のクラウドサービスやアプリケーションを支えるデータベースだと説明している。Cosmos DBはスキーマの不要なマルチモデルのデータベースであり、KVS(Key-Value Store)やドキュメント、グラフ、カラム型といったデータ型をサポートできる。また、「MongoDB」や「DocumentDB SQL」、「Gremlin」(プレビュー版)、「Azure Table Storage」(プレビュー版)などのデータにアクセスするためのさまざまなAPIもサポートする。Microsoftによると、Cosmos DBはSQLライクな強力な整合性や、NoSQLのような結果整合性、そして「その中間に位置付けられる」ものまで、5種類の整合性オプションを選択肢として提供するという。

 同社によると、Cosmos DBは単一のデータベースイメージを提供することで、世界各地に存在するAzureデータセンターに向けたグローバルな配備を実現するターンキーソリューションになるという。また同社は、レイテンシやスループット、整合性に関するサービスレベル合意書(SLA)を提供するという。さらに同社は、Cosmos DBでは「データは迅速に取得でき、さもなければ返金する」と約束している。

 Build 2017ではこの他に、「Azure Database for MySQL」と「Azure Database for PostgreSQL」のプレビュー版をリリースしたと発表した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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