JFEスチールは、本社やグループ会社の会計システムを「SAP S/4HANA」で再構築し、4月から稼働させている。SAPジャパンやアビームコンサルティングなどが5月25日に発表した。
再構築の目的は、「経営分析の高度化」「将来的な国際会計基準(IFRS)対応と決算短縮」「業務標準化と人材継承」「さらなるグローバル展開」など。10年以上にわたり国産の個別パッケージを使用していたが、M&Aも含めたさらなる国内外の事業展開を支えるため、将来的なIFRSへの対応、業務の簡素化や効率化を支えるIT基盤の見直しが必要と判断した。再構築プロジェクトは、2015年秋から検討開始されている。
S/4HANAの採用は2016年6月に決定。標準機能の豊富さや拡張性、安定性と柔軟性を総合的に評価した。インメモリテクノロジの活用で同製品が世界的に多くの実績を持っていることも採用ポイントとして挙げられている。
財務会計領域はS/4HANAをコアとし、固定資産管理領域についてはプロシップが提供する国産パッケージ「ProPlus」を採用。IFRS適用を視野に入れた複数元帳によるデータ保持を確立したという。
システム構築では、アビームとJFEシステムズが支援。標準機能を最大限活用し、アドオン最小化で9カ月で完了している。今後、来春をめどにグループ会社約100社へシングルインスタンスで導入を完了させる計画。