複雑なIoTをシンプルにーーAWS IoT、AWS Greengrass
いまでは産業界を巻き込んだ大きなトレンドとなっているIoTについて、AWSの取り組みも紹介した。
IoTは複雑だが、AWSは「AWS IoT」として簡単にIoTアプリケーションを作成できるツールを用意する。センサなど通信機能を持つデバイスをAWSなどと接続して安全に通信し、データの処理などのアクションを実行できるという。デバイスゲートウェイを中核に、SQLのようなステートメントでメッセージを変換できる”ルールエンジン”、デバイスがオフラインでもそこにあるように見せる永続的仮想バージョンとなる”デバイスシャドウ”などの特徴を持つ。
AWS IoT
Elasticsearch統合は人気で、簡単にこのようなダッシュボードを作ることができるという。
AWS IoTを利用するのがソニーモバイルコミュニケーションズだ。ソニーモバイルはIoTでスマートホーム、ヘルスケア、輸送とコネクテッドカーの3分野で取り組みを進めている。スマートホームでは、子供や高齢者の見守り、空間演出などのソリューションがあり、ドアや窓の開け閉めを検知するセンサ、タグによる子供の帰宅や外出の検知、起床や就寝などの状況に合わせてLEDライトの光と音を制御するエンターテインメントオートメーションなどを進めている。
ソニーモバイルの取締役EVP、川西泉氏によると、同社はAWS IoTを利用しており、クライアント認証による安全な通信、デバイスシャドウなどのメリットを実感しているという。
ソニーモバイル取締役EVP、川西泉氏
ソニーモバイルはAWS IoTを利用してスマートホームシステムを構築している。
産業用IoTは規模が大きい場合が多く、多数のセンサがあっても全てのメッセージをクラウドにあげる必要はない。自動運転車など、ローカルの環境が重要な事例がたくさんある。そこでAWSが用意しているのが「AWS Greenglass」だ。
AWS LambdaとAWS IoTを利用して、クラウドにあるIoTシステムと同じコンポーネントでローカルデバイス全体でIoTアプリケーションをシームレスに実行する。
「ゲートウェイ、認証と権限の仕組みがあり、Lambdaでデバイスのプログラミングができる」とVogels氏。デバイスでLambdaファンクションを実行してデータを同期させ、オフラインにも対応する。「分散された自律的な環境を構築できる。常時クラウドに接続する必要はなく、遅延を短縮できる」とメリットを挙げた。