ちょっとだけ大きくなったiPad Proの真実
iPad Proは12.9インチと9.7インチだったものが、今回は10.5インチというサイズが出てきて、9.7インチと置き換えることになった。2010年に初代iPad発売以降、ずっと9.7インチで通し続けてきたものを、なぜここにきて0.8インチだけ大きくしたのか。
これは、iPad Proのスペックを上げると同時に、明確にMacBookやMacBook Proと差別化を図ったものと思われる。
iPadだけでできること。音声入力を利用し、さらにはマルチタスキングにより多くの処理ができるようになった今、キーボード入力を必要としないヘビーユーザーという位置づけを確立しようとしている。
考えてみよう。日本において、最近の大学では理系を除いてパソコンを得意としない学生が増えている。それはフィーチャーフォンの時代からあったことだが、スマートフォン、特にiPhoneの普及によって、より明確になってきた。
学生間や教授との連絡はLINEを利用するので、Eメールを必要としない。長文を入力する前提のEメールよりも、簡単な言葉で済むLINEのようなチャット的ツールのほうが時代に合っているのだ。
iPhoneやiPadでも、iOS10からiMassege用のステッカーが使えるようになっており、さらにはEvernote上にあるデータを送ることもできるし、Googleマップで現在地情報を送ることも可能になっているなど、多数のクラウドアプリケーションと連携している。2017年秋ごろにリリースされる「iOS11」では、ステッカーやアプリケーションを、画面下のスクロールバーから簡単に呼び出せるように進化しており、われわれのようにビジネスでiOS端末を利用している人間にとって、もう完全にEメールなしで仕事ができるようになってきている。