川崎重工、RFIDで航空機生産の進捗を管理--部品や治具の動きを一元管理

NO BUDGET

2017-06-13 12:05

 川崎重工業の航空宇宙カンパニーは航空機機体生産の進捗管理支援を行う生産情報活用基盤システムを試行開発する。富士通やベニックソリューション、川重テクノロジーが取り組む。6月8日に発表された。

 この基盤システムは、航空機生産現場の航空部品や治具などのモノの動きを収集、一元管理し、ダッシュボードやビジネスインテリジェンス(BI)ツールで目的に応じて分析、活用、表示する。

生産情報活用基盤システムの概要図(富士通提供)
生産情報活用基盤システムの概要図(富士通提供)

 今回はその試行段階として、RFIDで航空機機体製造でのリアルタイムに進捗を管理し、作業の組み替えなどのタイムリーな意思決定や資産の最適運用を支援する。

 航空機部品や冶具などにRFIDを貼付し、生産現場でのモノの位置情報を収集する。収集されたデータは、新たなデータ項目が追加されても柔軟に拡張することが可能なJSON(JavaScript Object Notation)形式で記述される。

 データベースには、構造データを扱うリレーショナルデータベース(RDB)に加え、多種多様で膨大な量の非構造データを効率的に扱えるNoSQLの両方に対応するものを活用する。

 作業工程の名称や適正在庫水準などのマスターデータはRDBに保存し、位置情報や入出庫などのデータが含まれるイベントレコードは、NoSQLに保存する。生産を管理する既存の統合基幹業務システム(ERP)との双方向のデータ連携にも対応できるようにする。

 データ表示では、BIツールを活用してユーザーエクスペリエンスを考慮したダッシュボードを提供する。生産現場の概況が一目で分かるようにし、生産現場の管理者や作業者がリアルタイムに進捗を管理する画面を開発する。

 航空宇宙カンパニーは2017年内に、今回開発する生産情報活用基盤システムを、航空機部品を生産する岐阜工場の一部を対象に展開し、さらに航空宇宙カンパニーの国内工場や海外工場、協力会社へと順次展開を図っていく予定。

 富士通は、今回の取り組みで得られた知見をデジタルビジネスプラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」に応用し、製造領域でのIoTビジネスを推進していく。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    KADOKAWAらの事例に学ぶ、2024年サイバー攻撃の傾向と対策

  2. セキュリティ

    MDMのよくある“12の悩み”を解決!Apple製品のMDMに「Jamf」を選ぶべき理由を教えます

  3. ビジネスアプリケーション

    生成AIをビジネスにどう活かす?基礎理解から活用事例までを網羅した実践ガイド

  4. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  5. セキュリティ

    「100人100通りの働き方」を目指すサイボウズが、従業員選択制のもとでMacを導入する真の価値

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]