99%捨てられるエッジデータもリアルタイム分析へ--「The Machine」構想の意図

末岡洋子 2017年06月14日 07時30分

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 Hewlett Packard Enterprise(HPE)が6月9日まで米ラスベガスで開催した年次カンファレンス「HPE Discover Las Vegas 2017」では、ネットワークプラットフォーム、IoTのエッジコンピューティングでも最新の製品や戦略について語った。また、研究開発が進む次世代のコンピューティング構想「The Machine」の開発担当者が進捗を報告した。

ArubaがCisco対抗コアスイッチを発表

 ネットワークプラットフォームは、HPEが2015年に買収発表したAruba Networksが中心となる。独立性を重視するために”Hewlett Packard Enterpriseカンパニー”として、共同創業者のKeerti Melkote氏がゼネラルマネジャーとして統括している。

 ステージに立ったMelkote氏はまず、Arubaについて紹介した。Arubaは「無線が全ての機器の接続手段になる」と感じたMelkote氏らが15年前に創業、当時はスマートフォンが登場する前で、主としてノートPCを接続するWLANが中心だった。その後同社は企業向けとしては最大の無線ネットワークソリューションプロバイダーになり、HPEの買収後はHPEの有線資産も統合する。

 「業界唯一の企業向けモバイルファーストネットワーキングプラットフォームだ」と位置付けを説明する。過去7四半期の間、前年同期比25〜30%の成長率を維持しているとのことで、Melkote氏は「もっとも急速に成長しているエッジネットワークソリューションプロバイダー」と胸を張る。

 単にアクセスポイント、スイッチ、ソフトウェアを販売するだけでなく、オフィスのリノベーションなどに参加することも多いという。Microsoftと共同で手がけた北米の旅行保険企業の場合、ミレニアル向けのオフィスとして完全に有線ななくして無線にし、従業員の満足度と生産性アップを図ったという。オフィスのほか、スタジアム、小売、ホテル、病院などがネットワークを最大活用することで成果を上げた例が多数あると話すMelkote氏「ネットワークを使って売り上げアップを図ることができる」と述べた。


Arubaの共同創業者、Keerti Melkote氏。実はCisco出身だ。

 ArubaはHPE Discoverで、2つの発表を行った。1つ目は悲願とも言えるコアスイッチ「Aruba 8400 Switch」だ。複数のビルにまたがるキャンパスネットワークを構築し、単一のアーキテクチャ、同一ソフトウェアを使って管理・制御ができる。


「Aruba 8400」

 「キャンパスネットワークのコアは長い間、革新が起こっていなかった。時代はモバイルファースト。我々はエッジでの取り組みをコアに取り込み、次世代のコアスイッチプラットフォームを構築した」とMelkote氏。

 この分野はCiscoの「Catalyst」ラインが長年独占しているが、「Cisco Catalystから解放される」とHPEのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼エンタープライズグループ担当ゼネラルマネジャーのAntonio Neri氏がいうと、会場からは拍手が起こった。

 Melkote氏によると、Aruba 8400の最大の特徴は「スクラッチから書きなおした」という「ArubaOS-CX」だ。シームレスにワークフローを統合でき、「ハードウェアの中でクラウドアプリが動いているように」拡張性に優れるという。アナリティクスエンジンの統合により、コアスイッチに入って来るトラフィックを始め、さまざまな洞察を得ることができる。


Aruba 8400はアナリティクスを統合、リアルタイムで異常を検知してアラートを出す。

 2つ目は資産追跡タグ「Aruba Tags」だ。病院にある医療機器など高額な資産につけるタグで、Bluetoothで接続する。Arubaネットワークプラットフォームに統合されており、別に資産管理専用にプロプライエタリなネットワークを構築する必要はないという。タグはコイン程度の大きさで、使い捨てではなく、再プログラミングして何度も使うことができる。

エッジがクラウドを飲み込む

 IoTエッジでは、2015年冬のHPE Discover Londonでデビューした「HPE Edgeline」が担う。2016年春のHPE Discover Las Vegasでは、”Edgeline Converged System”としてエッジコンピューティング、OT技術を取り入れた。一連の取り組みを統括するバイスプレジデント兼サーバ/IoTシステム部門ゼネラルマネジャーのTom Bradicich博士がビデオで登場し、コンセプトを説明した。

 Edgelineでは「エッジに接続(Connectivity)、コンピューティング(Computing)、コントロール(Control)と3つのCがあり、さらにセキュリティ保護とエンドツーエンドのサービスが結びつく」とBradicich博士。セキュリティとはAruba Clearpass、HPE Security ArcSightなどで、これによりエッジからコアのデータセンターまでのセキュリティを確実にするという。

 Neri氏は、「2019年にはIoTデータの43%がエッジで分析される」という予想を引用しながら、GartnerのアナリストThomas Bittman氏によるエッジの重要性の指摘(「The Edge will eat the cloud(エッジがクラウドを飲み込む)」)を紹介した。「センサー、モバイル端末がデータをキャプチャし、そこでバリューを得ることが重要になっている」とNeri氏。

 Bradicich博士も、エッジがパワフルになるとどんなことが可能になるのか例を紹介。「飲料とその価格を表示するデジタルプレートはモノとしてつながり、天気、イベントなど外の情報と組み合わせることで、瞬時に在庫を把握し、予測し、価格を変えたり追加注文するなどのことができるようになるーー全てリアルタイムで、だ」とした。

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