次世代ITに呼応する宇宙ビジネス

データでつながる衛星とIT人材--宇宙ビジネスが他業種を巻き込む - (page 2)

八亀彰吾

2017-07-07 07:00

 ビジネスコンテストのCopernicus MastersとESNCには、欧州のリモセン衛星であるSentinelと測位衛星であるGalileoを活用した新しいビジネスを創出させる目的があり、優秀者は自身のビジネスアイデアをみがくアクセラレータープログラムなどに参加する権利を獲得できる。

 Copernicus Mastersには欧州宇宙機関(ESA)やドイツ航空宇宙センター(DLR)などの宇宙関係機関はもちろんのこと、ドイツテレコムの子会社であるT-Systemsや、世界中で各種ITサービスを展開するCGI社などの企業やドイツの政府機関である交通・デジタルインフラ省など、ITやデータ解析などに関係する幅広い分野のプレイヤーが参加している。

図表 Copernicus Mastersのプログラム概要


※Copernicus Masters HPより著者作成

 Copernicus Mastersで賞を獲得したベンチャー企業や個人の中には、その後も順調にビジネスを発展させている“成功事例”も生まれている。

 例えば、世界中の建築現場の進捗状況や都市の開発状況のモニタリングサービスを提供しているBuilding Radar(ドイツ)は、衛星データなどを利用し取得した世界中のビルの建設状況や、竣工予定のデータをオフィス関連製品(机、椅子、フローリング、照明など)のサプライヤーに提供し、顧客の営業をサポートしている。

 またこの他に英国では英国内のイノベーション創出や将来の経済成長を加速させるために分野横断で取り組まれている研究開発プログラム「Catapult」においても衛星データの利活用が盛込まれている。

 Catapultでは英国内の11カ所でデジタル分野、エネルギー分野、次世代の交通・輸送システム分野等の成長産業に関する各種研究開発が進められている。

 その中でOxfordにあるHarwellにおいて、衛星データを活用した研究開発を進める「Satellite Applications」が存在し、エネルギーや次世代交通などを始めとした他の分野において衛星データを利活用する取り組みが進められている。

 近年世界の宇宙ビジネスは米国を中心にAIやビッグデータなどのIT技術の進展に後押しされ大きく発展を遂げているが、欧州や日本を含むその他の地域では米国と比較するとまだまだ発展の余地は大きいと考えられる。

 そのため、これまで紹介したDIAS、Copernicus Masters、ESNC、Catapultなど、宇宙ビジネスにIT業界を中心とした他産業のプレイヤーを巻き込む仕組みや、新たなビジネスアイデアを創出する取り組みが数多く存在している。

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