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より賢く活用するためのOSS最新動向

「オープンの融合」がイノベーションへ導く--OSSとオープンデータ - (page 3)

吉田行男

2017-07-05 07:00

オープンソースとの関係

 岐阜県中津川市に本社を置き、図書館蔵書検索サイト「カーリル」を運営するカーリルは、2016年1月に鯖江市図書館が公開したオープンデータを活用し、館内に設置したビーコンデバイスの位置情報をもとに蔵書の位置を地図上で検索できるスマートフォン向けアプリ「さばとマップ」の運用を鯖江市図書館と共同で開始しました。

 館内に設置された約130台のビーコンデバイスを使って、本のある場所だけではなく、ユーザーの現在地も表示することができます。また、図書館のシステムと連携し、貸し出し中の本もこの「さばとマップ」アプリから予約できます。

 この「さばとマップ」アプリは、GitHub上でMITライセンスにてオープンソースとして公開されています。また、屋内測位に使用されている測位エンジンもオープンソース化されており、誰でも自由に鯖江市図書館の屋内位置情報を活用したアプリケーションの開発が可能です。

 このように公開されたオープンデータを活用するためのアプリケーションのソースコードを公開することで、オープンデータの活用につながると考えられます。


 オープンデータを取り扱うためのAPIがあり、そのAPIにより取得できるデータのフォーマットなどの扱いについて、単なるサンプルプログラムではなく、実用的なプログラムであることに価値があります。

 また、千葉市の「ちばDataポータル」内のオープンデータ活用によるアプリケーションの中には、既にオープンソースとして公開されている「WHERE DOES MY MONEY GO? 税金はどこへ行った?」やCode for Kanazawaが開発した「5374.jp(ごみなし)」の地域版へのリンクが貼られています。

 このようにオープンデータを活用するアプリケーションが公開されていることで、オープンデータをもとにそれぞれの自治体で地域版を作成することができます。

 また、徳島県にあるウェブチップスが開発したウェブアプリケーション開発プラットフォームである「SHIRASAGI」では、オープンデータプラグインを用意し、各自治体でのオープンデータへの取り組みを推進する機能を提供しています。

 徳島県庁のオープンデータのポータルサイトは、この「SHIRASAGI」を使って構築しています。また一部の機能をカスタマイズして、三重県桑名市役所や宮崎県庁でも採用されています。

 このように「SHIRASAGI」は、オープンデータのポータルとして多く活用されています。まさにオープンソースとオープンデータを活用したオープンイノベーションが具現化している事例といっても良いと思います。

 今後もこのような「オープン」の融合がさまざまな形で起きていくことを期待したいと思います。

※本文中記載の会社名、商品名、ロゴは各社の商標、または登録商標です。

吉田行男
日立ソリューションズ 技術革新本部 研究開発部 主管技師。 2000年頃より、Linuxビジネスの企画を始め、その後、オープンソース全体の盛り上がりにより、 Linuxだけではなく、オープンソース全般の活用を目指したビジネスを推進している。現在の関心領域は、OpenStackを始めとするクラウド基盤、ビッグデータの処理基盤であるHadoop周辺及びエンタープライズでのオープンソースの活用方法など。

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