ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)分野で急成長を遂げている米Nutanixが次なる戦略を打ち出した。目指すは「エンタープライズクラウドプラットフォーマー」。その内容は? 果たしてなれるのか?
全方位に対応した「Enterprise Cloud OS」を提供
会見に臨む米NutanixのSudheesh Nairプレジデント
「NutanixはHCI製品を提供する会社ではない」――米NutanixのSudheesh Nair(スディーシュ・ネア)プレジデントは、ニュータニックス・ジャパンが同氏の来日に伴って先頃開いた記者会見でこう強調した。Nutanixといえば、HCI製品をいち早く手掛けて急成長を遂げている注目のベンチャー企業である。その首脳の「HCI製品ベンダー否定発言」は、いったい何を意図しているのか。
Nair氏は会見で、Nutanixが6月下旬に米国で開いた年次イベント「. NEXT Conference 2017」で発表した内容を中心に説明した。その目玉は、これまでHCI製品に適用してきた管理ソフトウェアを進化させ、ハイブリッドやマルチクラウド、さらにはIoT(Internet of Things)環境にも対応できるようにした「Nutanix Enterprise Cloud OS」である。
その内容の詳細については発表資料をご覧いただくとして、Nair氏が同OSの特徴として強調していたのは、IBM、Dell EMC、Lenovo、Cisco、HPEが手掛けるHCI製品などによるオンプレミス環境だけでなく、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform、Microsoft Azureといったクラウド環境でも利用できることだ。この全方位ぶりは目を見張るものがある。
同氏はさらにこの特徴について、「多種多様なハードウェアプラットフォームに対応するとともに、さまざまなベンダーが提供しているセキュリティやネットワーク、運用管理などのソフトウェアとも幅広く連携できるようにする」とも述べている。