IoT普及に拍車をかけるBluetoothのメッシュネットワーク対応、その仕組みとは

Charles McLellan (ZDNet UK) 翻訳校正: 緒方亮 高森郁哉 (ガリレオ) 村上雅章 野崎裕子 2017年07月25日 06時30分

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 (編集部注:当記事は7月19日付でCNET Japanに掲載した「Bluetoothがメッシュネットワークに対応へ--IoT普及に期待」に、未翻訳部分を追加したものです)

 短距離無線ネットワーク技術「Bluetooth 5」の発表から1年を経て、Bluetooth Special Interest Group(SIG)はメッシュネットワークへの対応を発表した。メッシュネットワークは、低消費電力の多対多デバイス通信を実現し、スマートホーム、スマートオフィス、スマートシティ、産業IoTなど、Bluetooth 5の導入事例を拡大することになりそうだ。


提供:Bluetooth SIG

 Bluetooth 5の普及を後押ししてきた特徴は、前バージョン「Bluetooth 4.2 LE」からの通信速度と通信範囲の向上だ。速度は2倍(最大2Mbps)、範囲は4倍(家、建物、店舗全体をカバー)、メッセージ配信容量は8倍(より大容量のデータパケットを利用することで実現)となる。Bluetooth 5が特に注力しているのは、ビーコンに関連するIoT分野だ。ビーコンとは、範囲内にある他のBluetooth対応デバイスにデータを送るBluetooth送信機を指す。

 新しいメッシュ機能は、「Bluetooth LE」を拡張するもので、多い場合は数千台のデバイスについて、信頼できるセキュアな相互通信を確保する必要があるようなIoT用途向けに設計されている。

 メッシュネットワークのトポロジー(配置)では、新しいノードを追加し安全に設定するだけで、Bluetoothネットワークの範囲を拡大できるようになる。デバイス群がメッセージを中継することにより、エンドツーエンド通信の範囲は、個々のノードの無線範囲をはるかに超えて拡大する。

 工場を例に挙げると、メッシュネットワークの使用により、単一障害点を生み出すことなく、プラント全体に設置されている機器の状況を監視できるようになり、製造プロセスを通じた資産状況の追跡が可能になる。

 Bluetooth SIGは、メッシュを横断して送信するメッセージのために、ユニキャストアドレスとグループアドレス、仮想アドレスという3種類のアドレスを定義している。ユニキャストアドレスは単一の機器要素を識別するものだ。次に、グループアドレスは1つ以上の要素を表し、Bluetooth SIGが定義するものと、ユーザーが動的に割り当てるものがある(グループアドレスは、あるビル内に設置されている機器を部屋ごとに管理したい場合などに使用できる)。そして仮想アドレスは1つまたはそれ以上のノードにまたがった、1つ以上の要素を割り当てたものだ。ノードはあらかじめ定義しておく必要があり、上述した用途の例に従うと、すべての会議室に設置されている特定メーカーのプロジェクタを管理したい場合などに使用できる。


Bluetoothによるメッシュネットワークの例:図の上部左端のノード(スイッチ)は「Kitchen」というグループアドレスをパブリッシュ(発行)する。そして図の下部左側に並んでいる3つのノード(照明)がそれぞれKitchenをサブスクライブすると、Kitchenに向けて発行されたメッセージを受け取って処理できるようになる(つまり、左端のスイッチを操作することで3つの照明を点灯/消灯できるようになる)。なお、ノードは複数のアドレスをパブリッシュ/サブスクライブできる。
提供:Bluetooth SIG

 メッセージの送受信と同様に、ノード要素は状態(例えばライトが点灯/消灯している)やプロパティ(例えば温度)を保持できる。そして、プロパティは読み込みのみを許すことも、読み書きを許すこともできる。モデルは、すべての要素あるいは一部の要素とメッシュネットワークの関係を定義し、サーバやクライアント、コントロールといったものに設定でき、シーンを用いて、以前に格納したノードの状態を必要に応じて呼び出せるようになる。リビングルームでの団らん時に温度や明かりを調節することを思い浮かべてほしい。

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