2003年に米国で設立されたDocuSignは、デジタル・トランザクション・マネジメント(DTM)のグローバルスタンダードに成長した企業だ。人や時間、場所を選ばず、どのようなデバイスでもセキュアなトランザクションを安定して行えるDTMは、企業のペーパーレス化に有効とされており、既に多くの実績がある。
今回はDocuSignの会長であるKeith Krach(キース・クラック)氏と、日本法人であるドキュサイン・ジャパンの代表取締役兼米国本社バイスプレジデントを務める小枝逸人氏に話を聞いた。
DocuSignの会長であるKeith Krac氏。
ZDNet DocuSignについて紹介してください。
Krach氏: DocuSignは今、DTM分野のグローバルスタンダードと呼ばれるまでに成長しています。DTMは簡単にいえば、「紙をなくす」ということです。通常のビジネスではたくさんの「紙」が存在し、それにサインをする、押印をするということが行われています。
どのような企業であれ、顧客、パートナー、サプライヤー、従業員とやり取りをした時には、Moments of Truth(真実の瞬間)を写し取った契約書、ファックス、郵便物が「紙」として生まれ、オフィスにあふれかえることになります。
DTMプラットフォームである「DocuSign」を使うことで、文書、データをどこにでも置き、どこからでもシリアルにもパラレルにも接続できるようになります。認証については9レベルという高段階の認証があり、二要素認証、デジタル署名、電子ハンコにも対応しており、完璧な監査証跡が担保できます。最近では「DocuSignペイメント」というサービスを実装し、1ステップで支払えるようにもなりました。
このパワフルなワークフローにより、現在グローバルで188カ国中30万社が導入し、1億人のユーザーが使っています。例えば、銀行業でのトップ15行のうちの14行、保険会社ではトップ15社のうちの13社、製薬会社ではトップ15社のうちの14社といった具合です。
また、1日あたり30万人のペースで新規ユーザーが増えており、1日あたり100万のトランザクションが発生しています。DocuSignでは、グローバルなトランザクションを迅速かつセキュアにできるサービス「Global Trust Network」も提供していますが、こちらもFortuneに数えられる企業から小さな小売店まで、3000社が採用しています。
ZDNet: DocuSignが成功した要因はなんでしょうか。
Krach氏: 主に3つあると考えています。まず、これまでにない価値の提案ができたこと。素晴らしいカスタマーエクスペリエンスが提供できたということ。コンプライアンスを順守していて、セキュリティ面でのリスクを減らせるということです。