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SIerがFinTechコミュニティーのオープンイノベーションを担う理由--FINOLAB

飯田樹 山田竜司 (編集部)

2017-07-20 07:00

 「日本に世界最高のFinancial Innovationが生まれる土壌・環境・エコシステムを創ろう」というコンセプトで、三菱地所や電通、電通国際情報サービス(ISID)が運営するFINOLABが、2月からセカンドステージに入った。

 拠点を大手町ビルに移し、フロアも拡大。FINOLAB 発起人兼 代表である、ISID 金融ソリューション事業部 DXビジネスユニット 金融事業開発部長の伊藤千恵氏に、現在の取り組みと今後の展望を聞いた。

--FINOLABについてご紹介いただけますか。


FINOLAB 発起人兼代表 伊藤千恵氏

 FINOLABは、その役割を「コミュニティー&スペース」と定義しています。コミュニティーと、そのコミュニティーが利用するスペースという意味です。

 実証実験の場所でもあり、FinTechを中心とした新規ビジネスと、それに必要なエコシステムを作っていくのがミッションです。運営は三菱地所とわれわれの親会社の電通、そしてISIDの3社による協業で、法人格はありません。

 三菱地所には場所などのファシリティを中心に担当してもらい、ISIDはコミュニティーの運営やスタートアップメンバーと企業会員の審査などを、金融を革新するビジネス・エコシステム形成を目指す有志の社団法人「FINOVATORS(金融革新同友会)」の力を借りつつ実施しています。

--なぜ御社がこの取り組みを始めたのですか。

 2007年に米国でFinovateというFinTechのイベントが初開催された時に、日本企業で唯一参加したのがFinTech領域に関係したきっかけです。

 日本へも誘致したのですが断られてしまったため、ISIDとして、FinTechのピッチコンテスト「FiBC」を2012年の2月に開催。新しい業界を作っていくことを目指す、中立的な業界活性化の取り組みとして、年に1回のペースで実施していました。

--米国のFinTechの潮流をいち早く察知していたと。

 米国で出てきた当時のFinTechは、完全に「アンチ既存金融」の流れでした。出版業界や音楽業界で起きているような、金融機関を選ぶ主導権がユーザー側に移る動きが根底にあったのです。

 米国ではリーマンショック後、金融業界の人材がベンチャー側に流出しました。その人たちが、既存の金融システムでは突破できない課題をテクノロジで解決しようと、シリコンバレーでベンチャーを始めたことが発端でした。

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