編集部からのお知らせ
「ZDNet Japan Summit」参加登録受付中! 
新着記事集:「負荷分散」

複雑なプロセスにプロアクティブに--インフォアがクラウドとAIに注力する理由

鈴木恭子

2017-08-01 08:00

 業界特化型の統合基幹業務システム(ERP)パッケージなどを提供する米Inforがクラウド化に注力している。6月には日本国内でも製造業向けSaaS型ERPの最新版をリリースした。

 「5年前は『ERPのクラウド化』といっても、日本企業はほとんど関心を示さなかった。しかし、今やクラウド化は、(ERP戦略の)選択肢の1つに挙がる」と語るのは、同社バイスプレジデント&北アジア地域担当マネージングディレクターのGraham McColough氏だ。同社のコア製品である「Infor CloudSuite」は、クラウドでもオンプレミスでも利用できるが、「現在はハイブリッド環境で利用する傾向があるものの、クラウドへの移行は着実に進んでいる」とMcColough氏は語る。

 Inforは7月に開催した年次コンファレンス「Inforum 2017」(7月10~12日、米ニューヨーク)で分析基盤である「Birst」の統合や新たな人工知能(AI)基盤の「Coleman」を発表。CloudSuiteの機能拡充を推進している。

 とはいえ、製造業を中心とした日本企業で、ERPにAIを活用しようという機運は、まだ高まっているとは言いがたい。そのような状況でInforは今後、日本市場でBirstやColemanをどのように訴求していくのか。McColough氏とアジア太平洋日本地域担当のCas Brentjens氏に話を聞いた

データの80%を自社以外が保有

――AI基盤のColemanは2017年度中のリリースとなっているが、日本市場ではどのようなポイントを訴求していく戦略か。

Brentjens氏 Colemanは、各業界特有のアプリケーションに蓄積された知見やデータを学習し、業務の効率化や顧客の意思決定を支援するものだ。ただし、現時点で企業がAIを自社の基幹ビジネス対して完全に組み込むフェーズだとは考えていない。Colemanで実現できることは数多くあるが、これらは「Inforのビジョン」だと考えてほしい。

――製造業のERPでBI基盤であるBirstやAI基盤のColemanを導入するメリットは何か。

Brentjens氏 製造業を取り巻く環境は大きく変化している。AI搭載ロボットやIoT(Internet of Things)の導入で実現できるさまざまな“未来像”が示されている。

 しかし、大半の企業は各組織ごとにサイロ化しており、データや情報の分断化が発生しているのが現実だ。最先端企業ではデジタル化が進んでいるものの、多くの企業では肝心な部分は台帳やExcelで管理している。

 そうした状況では、データを統合して情報を一元的に集約し、効率的に(データを)活用することが求められる。特に製造業の場合は、(1つの製品を製造するために)利用するデータの80%をサプライチェーンなど自社以外が保有しているからだ。

 例えば、グローバルでビジネスを展開する日本企業では、東南アジアの製造拠点で利用しているERPと日本本社のERPが異なるといったケースが多い。また、日本でパーツを作り、(納品する輸出先の)外国で製品を組み立てている大手製造業もある。

 製造業が世界各地から資材調達をするときなどはデータの可視性が重要だ。そして、どこから資材を調達すればよいかを分析するためには、BIやAIは役に立つ。特にITとOT(Operation Technology、制御技術)の融合が重要となる製造業では「何が発生しているのか」を可視化し、「どのような対策を講じるべきか」をデータ分析で読み取ることが求められるからだ。

――日本の製造業には「AIのアルゴリズムはブラックボックスなので、導き出された結果を受け入れられない」という声がある。AIを提供していく上でこうした懸念にはどのように対応するか。

Brentjens氏 需要予測などで、これまでとはまったく結果をAIが導き出せば、不安になることは理解できる。ただし、その結果をどう捉えるかは、人間の判断だ。

 AIが導き出した結果は、人間が決定を下す要因の1つだと考えてほしい。AIをビジネスアプリに取り込むことは始まったばかりだ。人間の成長過程に例えるなら、ハイハイから二足歩行を始めた段階だ。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    Google Cloudセキュリティ基盤ガイド、設計から運用までのポイントを網羅

  2. セキュリティ

    仮想化・自動化を活用して次世代データセンターを構築したJR東日本情報システム

  3. ビジネスアプリケーション

    スモールスタート思考で業務を改善! 「社内DX」推進のためのキホンを知る

  4. セキュリティ

    Emotetへの感染を導く攻撃メールが多数報告!侵入を前提に対応するEDRの導入が有力な解決策に

  5. セキュリティ

    偽装ウイルスを見抜けず水際対策の重要性を痛感!竹中工務店が実施した2万台のPCを守る方法とは

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]