ベンダー/SIerによるIT子会社買収などの業界再編
2015年頃から、ユーザー系のIT子会社がSIerに売却されるという事象が珍しくなくなっている。現在を含む第一陣(2015年~2019年)として、SIerにIT子会社を売却(資本を数%残す企業を含む)した親会社側は、先行者メリットを享受する。具体的にいえば、2025年には、「元ユーザー系IT子会社」出身者でも、買収した側の役員クラスや部長、本部長クラスとして活躍できる(第2のIT部門)チャンスがある。
しかし、五輪前後の2020年~2025年にかけて、ユーザー系IT子会社がSIerに売却される事象は、買い手不足が原因となり、親会社は売却先を中々見つけられない事態になる。
これは、五輪などの特需がベンダー/SIerに一服感が出てしまい、2025年の「IT要員余り」が生じるからだ。1985年当時、日本で考えられた「情報システム子会社制度」は、40年後の2025年に転機を迎える。これは、ビジネスモデルを変える好機でもある。次は2025年に予想される情報システム部門の姿から、いま実践すべき“生き方”を紹介しよう。
- 石橋正彦
- 大宣システムサービス(dss) 執行役員 リサーチ&コンサルティング アナリスト 日本ユニバック(現日本ユニシス)、ベリタスソフトウェア(現ベリタステクノロジーズ)、ベリングポイント(現PwC)にて金融系システムの開発や災害対策、バックアップ、セキュリティ監査などを担当。ガートナージャパンでは11年にわたり、セキュリティ分野のリサーチおよびアドバイザリーを手掛ける。SI、ベンダー、リサーチ機関での豊富な経験を生かし、現在は大宣システムサービスのセキュリティ戦略や顧客企業へのコンサルティングサービス、本寄稿のような「(40歳以上を中心とした)IT業界のメンタルヘルス」を担う。同社は現在、BPOやITサービス分野でAIやアナティクスを自前主義で構築し、2025年に向けて採算の取れるプライベートクラウドを目指している。