内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」

一向に増えないIT部門の人員数

内山悟志 (ITRエグゼクティブ・アナリスト)

2017-05-17 07:30

 IT部門長からよく聞かれる課題の1つにIT部門の人員が不足しているということがあります。これは長年言われ続けていることですが一向に改善が見られないというのが実態です。

従業員100人にIT部門3人という実態

 グループITガバナンスやグローバル対応などIT部門の組織的な面での対象範囲は広がっています。また、昨今のデジタライゼーションやビジネス変革への期待といった質的な面でも拡大しているといえます。

 しかし、役割の拡大や業務の増大に伴って人員が増えているというIT部門は決して多いとは言えません。ITRが実施する「国内IT投資動向調査2017」の結果から国内企業のIT部門の人員数に関する状況を見てみましょう(図1)。

図1.従業員に占めるIT部門スタッフ(正社員)の比率 出典:ITR(出典:ITR「国内IT投資動向調査2017」2016年9月実施:回答数2,310件)
図1.従業員に占めるIT部門スタッフ(正社員)の比率 出典:ITR(出典:ITR「国内IT投資動向調査2017」2016年9月実施:回答数2,310件)

 まず、従業員に占めるIT部門スタッフ(正社員)の比率では、2%未満が約6割を占めており、全体の平均では、2.8%となっています。すなわち、従業員100人に対してIT部門スタッフは3人に満たないという実態です。この人員比率は欧米企業と比べて著しく低い数値です。これがIT部門長が長年の課題としてあげている人員不足の実態です。

図2.来期のIT人員の増減計画 出典:ITR(出典:ITR「国内IT投資動向調査2017」2016年9月実施:回答数2,310件)
図2.来期のIT人員の増減計画 出典:ITR(出典:ITR「国内IT投資動向調査2017」2016年9月実施:回答数2,310件)

 それでは、この問題は解消に向かっているのでしょうか。同調査では来期に向けたIT人員の増減計画についても聞いています(図2)。 増員を計画している企業は2割に満たないという結果です。4分の3の企業が横ばいであり、わずかではありますがIT人員を減らすという企業も存在しています。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]