既にサーバ世界3位--Huaweiはエンプラ市場も揺るがすのか - (page 4)

末岡洋子

2017-08-23 07:30

新しいICTベンダーを目指す

 Huaweiがエンタープライズベンダーとしてもその名を知らしめるようになる可能性は十分にある。ハイパーコンバージドインフラ、サーバレスなどの先進的なものを含め、主要なハードウェアベンダーが持つ製品は全てそろえており、SAPやGEなど業界のキープレイヤーとの関係も広げている。

 SI事業者が重要な役割をしめる日本市場にも、少しずつ今後のための布石を打っている。Raffensperger氏に聞いてみところ、「ちょうど数日前に日本のSIとあっていた」と言うし、「SAPが入り口になる」とも。「6月に日本を訪問した」というDou氏も、「日本顧客の品質への要求は厳しいと聞いている。Huawei社内では、日本市場で認めてもらうことができれば大丈夫と言われるぐらい(日本企業の品質へのこだわりは)有名だ。地道に努力して少しずつ認められるようになっている」と述べる。

 日本企業でもHuaweiのシステムを導入する企業は増えているようだ。例えば映像配信のU-NEXTは、映像配信システムでHuaweiのラックサーバとギガビットスイッチを採用している。Raffensperger氏によると、「キャパシティと速度で競合よりも優れていると判断いただいた」とのこと。また、ソニーはIPベースのライブソリューションで、東芝もIoTソリューションでHuaweiと提携している。

 Dou氏にエンタープライズ事業でのライバルを聞いたところ、「分野により競合は異なる」として社名を出すのは避けた。その代わり、「Huaweiが提供するのは、新しいICT。独自の差別化により競争力を高める」とDou氏。中心にあるのは顧客のニーズであり、それに寄り添うサービスやソリューションを構築するのがHuaweiのICT戦略という。

 「面白い時代になっている。競争だけではなく、一緒にやる時代だ。エコシステム全体で協力することが主流になる」とDou氏はHuaweiの戦略に自信を見せた。

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